フィラリア症
フィラリアは風土病の一種です。その昔は日本の犬の死因の中でも多かったのがこのフィラリア。咳をし出すと一週間くらいで死亡してしまう怖い病気でした。
フィラリア症は感染犬の血を吸った蚊が他の犬をの血を吸うことで伝染する病気です。フィラリア原虫が病原虫となり、寄生した犬の体内で成虫となって心臓や肺動脈に寄生するという病気です。蚊の活動が盛んな春から夏にかけてなりやすい感染症です。
症状としてはしつこい咳こみ、鼻汁、結膜炎、など風邪の初期症状にも似ていますが、血尿、腹水がたまる、血の流れが悪くなるなどの症状を呈し、最後は心臓などを侵されて死に至ります。
予防法は蚊の吸血を避けることと、夏の前に獣医の診察を受けて、蚊の活動する4月中旬から11月までの期間は予防薬を飲むことが有効です。獣医の診断は、まず体重測定、そのあと感染の有無を血液検査で調べます。
その後予防薬を処方してもらい毎月飲ませます。薬の量は犬のサイズによって異なります。それから先述しましたが蚊を近づけさせないことも重要です。屋外で飼育している場合は蚊取り線香を炊く、犬舎に網戸をつけるなどすると良いでしょう。
獣医さんにもよりますが、妊娠中の犬にはフィラリア症の薬を処方しないこともあります。また、出産してからも授乳期間中は投薬しないように指示を受けるかも知れません。本当に死に至る病気なので愛犬のためにも早めに薬を貰って期間を長めに服用させてあげて下さい。
フィラリアは昔も今も恐ろしい病気です。獣医さんと相談して毎年必ず薬を飲ませることが一番の予防方法です。2001年からは予防注射の使用が可能になりました。この注射は生後6ヶ月から打つことができ、妊婦犬でも大丈夫という有りがたいものです。しかし、副作用があることから獣医さんと一緒に検討しましょう。なお、注射後6ヶ月間の予防効果が期待できます。
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犬ジステンバー
犬ジステンバーは犬の感染症の中でも広く知られた病気です。犬ジステンバーに感染している犬の尿、糞、鼻汁などに混じって排出されたウィルスは、経口伝染で他犬に伝染するほか、空気感染もするので、伝染性はとても強力な感染症です。
主な症状としては以下のような症状をあげることができます。
・発熱
・咳
・鼻汁
・下痢や血便
・脱水症状
・結膜炎や角膜炎(目ヤニ)
・鼻の頭の乾燥
病気が進んで重篤な状態になると、けいれんを起こしたり、運動障害を生じたり、神経系統を侵されて死亡することもあります。
犬ジステンバーは死亡率が高い恐ろしい病気です。ひどくなると犬が暴走したり、ぐるぐる回ったりすることもあります。また、体のあちこちでピクピク短い間隔で痙攣するチック症状が出る、下半身に麻痺が出るなどもします。
犬ジステンバーに罹りやすいのは1歳未満の子犬ですが、成犬だからといって大丈夫な訳ではありません。犬ジステンバーに感染すると、大体4~6日後くらいに発症することが多く、初期症状が風邪に類似しているので、気が付くと重症化していることも少なくありません。通常は感染してから1ヶ月半後くらいにほとんどが死亡し、治癒しても麻痺や痙攣はそのまま残ることが大半です。しかし一方で、免疫力が高い犬は初期症状以上に悪化せず自然治癒治することもあります。
犬ジステンバーの罹患は症状や血液検査でも予測はできますが、罹患確定にはウィルス検査が行われます。そして、犬ジステンバーの診断が出ると、入院治療が行われます。治療方法は、抗生物質やビタミン剤の投与が一般的、神経症状が見られる場合は抗てんかん剤や脳代謝賦活剤などが使用されます。
犬ジステンバーにかかったら、安静にして保温を心がけること。なるべく、体力を消耗させないように配慮することが必要です。
犬ジステンバーの予防はワクチン接種が効果的。初乳や母乳を飲んでいない子犬だと、生後1ヶ月でワクチン接種が可能です。散歩から帰ったときや、動物病院から帰ったときは必ず消毒するのも効果的です。感染している犬の散歩はNG。病気の犬自体の体力温存の面で好ましくありませんし、なにより病気の蔓延を防ぐのは飼い主の義務といって良いでしょう。
犬パルボウィルス感染症
『犬パルボウィルス感染症』は犬の感染症の一つです。別名、「ポックリ病」や「コロリ病」とも言われる恐ろしい犬の病気です。
この病気の感染経路は、パルボウィルスを保菌している犬の唾液や嘔吐物、糞や尿に触れることでウィルスに感染します。腸内に細菌が入ると腸の粘膜が破壊され、敗血症を引き起こすこともあります。犬パルボウィルス感染症に生後3ヶ月以内の子犬が感染すると、心臓の筋肉がおかされ、急な呼吸困難を起こして間をおかず死に至るケースも珍しくはありません。
犬パルボウィルス感染症の主な症状は以下のようなものです。
・激しい嘔吐
・下痢や血便
・脱水症状
発症は感染後数日から十日前後と比較的短期間なものです。罹患すると犬の免疫力は極度に低下することから、二次感染を引き起こすことも少なくありません。結果、前出のように子犬だと、発症後1~2日後に急死する場合もあり、そのため「ポックリ病」などと呼ばれます。
この病気にの病原菌はとてもタフな事でも知られています。犬パルボウィルス感染症でた子犬が死亡した後、1年経過して迎えた新しい子犬が、生き残っていた犬パルボウィルスに感染したあげく死亡したケースもあります。このウィルスは普通の石鹸や消毒液では死滅しないのです。
予防法はまたしてもワクチン。生後2ヶ月頃になったら早めのワクチン接種が無難です。後送りにするとそれだけ、この病気に感染する確率が高くなります。飼い始めた子犬が、ある日突然、嘔吐や下痢をしたら、速やかに病院へ連れていくようにしてください。パルボウィルス不活化ワクチンを単独で年2回接種するとよいでしょう。
『犬パルボウィルス感染症』は一旦感染したら、直接退治する治療法はありません。免疫力を高め、犬自身がこの病気にまけないように手助けをする対症療法しか方法がないのです。嘔吐症状がある場合は、かわいそうですが絶食絶水をします。激しい下痢や脱水症状の場合は飲料を与えるのではなく点滴で水分を供給します。
なお、この病気は成犬にとっても危険ですから、1年に1回のワクチン接種を必ず行うことと、散歩などでほかの犬の排泄物を舐めさせないようすることが重要です。
ケンネルコフ
犬の感染症『ケンネルコフ』......。ケンネル=犬舎 コフ=咳、言葉通りに咳をするようになることがこの病気の特徴です。ケンネルコフの原因は気管に入ったパラインフルエンザウィルス。厄介なことにこの犬の病気は空気感染します。単頭飼育よりも犬舎などで多頭飼いしているところで発生率が高いことから、ケンネルコフの名前があります。
細菌、マイコプラズマ、他のウィルスを合併することもあり、目立って咳きこんだり、発熱を起こしたり重篤な症状にもなりかねませんん。この病気の症状としては以下のようなものが代表的です。
・乾いた咳
・鼻水
・発熱
病気が軽いうちは犬も微熱を出すくらいで元気に過ごしますが、老犬や幼犬など免疫力がない犬だと、時に高熱を出し、膿のような濃いめの鼻水を垂らし、元気もなくなってしまいます。また、症状が重くなると、炎を起こすこともあるので油断禁物です。
ケンネルコフ?と感じたらまずは、病院へ。すると、症状を確認後、胸部X線検査を行うことでしょう。細菌や微生物が原因と判明した場合は抗生物質が投与されます。
このケンネルコフ、予防方法はというと、ワクチン接種しかありません。伝染力が強いことから、健康な若い犬でも暑さや寒さ、慣れない環境でのストレスなど、免疫力が下がり、病気に抵抗する力が落ちると感染する場合もあります。特に、身近に感染犬がいると容易に感染してしまいます。自宅で感染するほか、ペット美容院やホテルで感染するケースもあります。
成犬で咳をしている犬は、ケンネルコフ以外の病気も疑いたいところ、弱っているわけでもないのに、咳をしだしたら病院へいって早めの診断を受けるのが無難です。また、ワクチンを打っていない犬はワクチン接種が終わるまで、他犬と触れ合わないよう隔離しておく配慮も大切です。
多頭飼いしているお宅では1頭が病気に感染すると、すぐに他犬に広がります。この厄介な病気がケンネルコフ。全頭必ずワクチン接種をするのが予防のポイントです。
犬伝染性肝炎
『犬伝染性肝炎』は名前通り、犬の肝炎、しかも伝染します。原因となる菌は「犬アデノウィルス」というもの、犬の肝臓におこる炎症は時に市を招きます。感染経路は、ウィルスを含む糞尿、唾液を舐めるというもの。あれこれなめたがる子犬や、糞食いの悪癖がある犬は要注意、感染後4~7日で発症します。
主な症状をリストアップしてみましょう。
・発熱(40度前後)
・食欲不振
・下痢
・嘔吐
・鼻水
・倦怠
・くしゃみ
この後、扁桃腺や肝臓が急速に腫れると死亡してしまいます。急性の場合は突然死といってよい状態で絶命してゆきます。重症だと死亡まで半日から1日くらい。ほとんど待った無しなのです。特に1歳未満の子犬は体力がなく、発症すると死亡する割合はかなり高くなってしまいます。一方、成犬の場合は症状が無症状で大丈夫な場合も少なくありません。なお、回復期の特徴的な症状に角膜白濁、ブルーアイが見受けられます。
病後も一定期間尿にウィルスが混じったまま排泄されるので、他の犬への感染源となりえます。よって、完全に滅菌するまでは隔離しておかなくてはなりません。厄介なことに、この病気には治療をする為の有効な薬はなく、肝臓の機能回復を促すため、十分なたんぱく質、糖、ビタミンを摂取させる対症療法しか治療方法はありません。
犬伝染性肝炎には犬ジステンバーほどの伝染力はありませんが、生ワクチン接種は予防の基本です。犬ジステンバーと犬伝染性肝炎の2種混合ワクチンがありますので、忘れずに接種しておきましょう。
犬アデノウィルスとパルボウィルスの混合感染は重症化しがちです。突然高熱がでたり、腹部を押さえて痛がったり、扁桃腺が腫れるなどの症状が出たら、直ちに病院へ。病院では血液検査を行うのですが、白血球が減少し、肝臓の血清酵素の活性値が上昇している場合は犬伝染性肝炎にかかっていると診断されます。
この病気の症状全般はジステンバーやレプトスピラ症、ワルファリン中毒症と症状が似ているので識別は素人判断では困難です。この病気の予防も、飼育環境を清潔に保つことが重要で、その他感染症と変わりはありません。
ちなみに、犬アデノウィルスはアンモニウム塩以上の強さのものであれば死滅するのだそうです。
犬レプトスピラ症
『犬レプトスピラ』も犬の感染症です。この犬の病気の原因は「レプトスピラ」という病原体。この細菌が感染症を引き起こします。犬レプトスピラが人に感染する可能性は低いといわれていますが、全く感染しないわけではなく、この病気は人間にも感染します。(ヒトが感染した場合はワイル病と呼称)
病気の感染経路は、感染済みの犬の尿やねずみから伝染するというもの。感染によって胃腸や肝臓が侵されます。感染した犬の尿やねずみの尿、その尿に汚染された水や土に触れることで感染するので、犬レプトスピラを発症した犬は他の犬から早急に隔離しなくてはなりません。
鼠が感染源となるケースは少々厄介です。ねずみはこの病気に感染しても症状が出ません。健康保菌者(保菌鼠?)として過ごし、いつも通りに活動し、他の動物へ伝染させてしまいます。
犬レプトスピラの主な症状は以下のようなものです。
・発熱
・食欲減退
・目の充血
・嘔吐
・血便や下痢
・脱水症状
・口の中の出血
犬レプトスピラの顕著な症状は出血型、黄疸型、不顕性型の3つの類型的なパターンに分けることができます。
・不顕性型
感染しても症状がでないのが特徴
・出血型
悪化により脱水や尿毒症を起こす危険あり。高確率で死亡する。
・黄疸型
出血型よりさらに重い症状となり、最も重いケースでは、発病から数時間から数日後に死亡することも。
不顕性型の場合は自然治癒することも少なくありませんが、長期間、菌を尿経由で排出することから、他の犬や人に感染する原因になり得ます。犬レプトスピラには抗生物質の投与が有効です。脱水症状を起こしている場合は点滴を打ちます。
予防方法は感染症の定番であるワクチン接種を定期的に行うことしかありません。DとHにレプストピラ不活化ワクチンを混合したワクチンを接種します。
もし万一感染した場合は速やかに飼育環境全体を消毒し、清潔に保たなくてはなりませんまた、散歩時には他の犬の排泄物に近づかせないことも大切。特に糞食いの悪癖がある犬は、矯正しておくのが無難です。
ちなみに、犬レプトスピラの中で一番危険な黄疸型の死亡率はなんと60~70パーセントと言われ、犬の病気としては最も恐ろしい一つです。
