きょうのできごと
きょうのできごと、十年後
柴崎友香
二冊続けて読みました。
たぶん『春の庭』を読んでデビュー作を読んでみたかったのか、誰かが柴崎友香のデビュー作について語っていたからなのか。
大学院に入る友人の引っ越し祝いに集まった男女。それぞれの視点でそれぞれの過ごした24時間ほどが描かれる。
時間はバラバラなので、先の話で出てきた人のことや関係が後の話(時間軸は前の時間になる)で明かされたりして話が続く。
誰が主人公かわかったようでそうでもない。細かな描写で少しずつ過ぎてゆく時間が描かれる。
何にもないけど面白かった。
続いてその十年後
もうみんな働いてそこそこの経験を積んでいる。責任ある仕事を任せられて転勤するかしないか、そして知り合った人に結婚を前提として…とも言われている。そこに出てくる元カレ。いろんな迷いがここで吹っ切れていくのか…そしてその他の人たちの約二十四時間に起こったことが描かれる。前よりより個性がわかるようになって、でもそれぞれ大人になっていて、今の自分に少しなにか迷いがあったりする。
この十年後はすこしアクシデントが起こる。ちょっとありえなさそうな。
ある日のメンバーそれぞれが、どんなことを見て感じて、そうすることで心の中で思っていることが出てきて…友達との会話で少し揺らいで、といった何も起こらないけどなにかが心の中で少し変わっているような話。