検事の本懐 柚月裕子
短編
検事ものといえば今再放送してるドラマ"ヒーロー"が型破りな検事で面白かったですよね。ヒーローは原作なしのドラマ用脚本。
こちらはドラマにもなった小説。第一話はちょっと変わった若者の検事が最後に登場し、次の話へつながるようになっています。
第一話
刑事と本部のエリートコースを進む同期の2人の話が出たので、また64みたいに人間関係の話か、と思ったら、最後に出てきましたね!エースというか若い検事
一件落着…というところをまたうまくまとめる若者。佐方貞人。
第二話はこの佐方の上司の話で始まるが…
ここで、この若い検事"佐方貞人"を誰に当てはめて読んでみようかな、と思って、ドラマ化したのでは?と調べてみたら…上川隆也。うーん、違いすぎる。私は彼を評価しないだけかもしれないけど、それにしてもなんか間違ってない?っていうくらい違う。
この検事は髪の毛ボサボサ、シャツもスーツもシワシワ。鋭い目つき。ある人は"精悍"という。そして権力や上司など関係ない、自分が良い(正しい)と思った方法で突き進む。でも愚直とかそういうのでもない。うまく上司に言う(嘘も方便的な)ところとかもある。
ね。違う感じするでしょ?精悍ってピューマとかそういう感じ。ちょっとトラとは違う。上川隆也は精一杯鋭くしても虎の方が近い。
ドラマ化されたのが2015年にしても年もとってるし…
ということで、私のイメージで綾野剛はめて読むことに。
第二話のストーリーは、刑務所の暮らしを繰り返す男が、出所後またすぐに犯罪を犯すがなにかおかしい…ここで佐方の"人間を見て調べる"ことで真犯人がわかる。
第三話はこの検事と高校時代の同級生との話。昔の借りを検事としてできることで返す。
第四話 特捜に派遣された佐方が、別の検事が進めようとしている方向とは違うことを導き出す。検事の世界は上意下達。方針は決められたもので進まないといけないが…
といっても違うものは違うでしょ。という感じですね。
第五話 ここで彼と弁護士だった父との関係が明らかになる。タイトルも『本懐を知る』
この佐方貞人が魅力的で、どれもとても面白い話でした。
しばらくシリーズ追っかけようかな。