クララとお日さま

カズオ・イシグロ

ノーベル賞受賞後やっと出た小説



警察ものを何冊も借りていたところ、予約が回ってきたので、次の予約もついているこの本を優先。


クララはAFArtificial Friend)お友だちロボット。最初は店に並べられて気に入って買ってくれる人を待つ。ジョジーは最初に来た時からクララを気に入り、クララにもその気持ちがわかり、待ち続け売り時?を逃して店に残ってしまったけれど、結局ジョジーが迎えに来てくれる。

そんなふうに人の心が分かるクララは窓の外に見えるお日さまや外の人たちも気になる。

クララにとってのジョジーとの生活は、病気がちなジョジーがどうやったら元気になるかを常に考えて過ごす。そしてクララは自分の体を犠牲にしてまで(身体を悪くすると思われる)空気を汚染する機械を壊そうとする。

クララは自分のエネルギーのもとであるお日さまの力を信じていて、夕日が入り込む東西に壁のない納屋を見に行ったり、部屋に入り込む日差しを力のもとと信じたりしています。これは映画で見た『沈黙』の太陽を拝む人を思い出しました。

このロボットを子供の成長期に友達にする世の中では、「向上処置」ということがされていて、それで身体が合わないで(死んでしまう)ジョジーの姉は死んだのに、ジョジーにもそれをする親。しないと大学もほぼ行けず、貧しい暮らししかできないような格差社会の世の中。

ジョジーの母親は、もうひとつある計画を練っていた。それも怖いんだけど


クララが行くジョジーの家は、田舎にあり、周りには一軒の家と農家の納屋みたいなものしか建っていないところ。話は近未来だけど、ここの土地では現代でも、それより前でもありそうな、自然に囲まれたところ。牧歌的な感じもしました。

お店にいた時の街の様子は少し近未来っぽかったけど。


AFね…子供にだけなのかな。このあとは高齢者向けにとかなるのかもですね。としても、この話のような格差社会は嫌ですね〜



この話、"私を離さないで"の時も同じように感じたけど、主人公のモノローグ(たまに別の人)で話が進むので、私たち読者にわからない言葉はそのまま具体的に説明されずに話が進みます。あたりまえのように。

なので、私の思い込みで話が進んだところもあるかも。


忘れた頃読み直すと、新たな発見があるかな♪