春の庭 柴崎友香
9月に読んだ本


L字型(作中では" 」"で表している)のアパートに住んでいる主人公の太郎(30代男)。そのアパートの住人2人の女性と3人で交わす話は、アパートの謎やそのアパートから見える水色の家の話。水色の家は昔アーティストが住んでいて、それが"春の庭"という写真集にもなっている。それを高校時代に読んだ女性1人がその家の人と仲良くなり、家の中を見せてもらい、どうしても普段見せてもらえない風呂場を見たいがために、ある事件になってしまう。
太郎は庭を掘り返している写真が気になる。
自分の家の庭にに父親の遺骨を砕いて埋めたことがあるから…

最後に主人公の姉が出てくるんだけれど、ここで姉=私 になる。なぜ⁇ 
それまでほぼ太郎目線なのに…
何かの話の番外編なのか?

日々の細やかな空気と、つど思い返す昔のことなどがわりと淡々と描かれて、私は好きな感じでした。


この作品で芥川賞を受賞したみたいで、選評が読めたのですが、やはりこのアパートの形が" 」"で表現してるところや、最後に私が出てくるところが審査員の方も気になったようでした。