すべての、白いものたちの


インスタで、アンソロジーのうちのハン・ガンの短編が良かったという投稿を見て、図書館で3冊予約。そのうちすぐに手に入った本。


ハン・ガンは『ギリシャ語の時間』を読み、気になっていた韓国の作家。



白いものをたくさん集めて、ひとつひとつ書いていく、数行の話もあり、体裁は詩集のよう。

テーマは重く、母親が自分の生まれる前に田舎の誰も居ない家で早産し、その赤ちゃんが2時間ほどで死んでしまう、という話。

ここから、自分のこと、娘のこと、呼ばれて行ったワルシャワの暮らし、そこでこのテーマを書かなければと思ったことなど。改訂版出版の時に付け加えられたあとがきも加えて、静かな、白いもの、命、風景… 


しーんとした静かなところから伝わる感じが好きでした。


白いもので気になったもの

"タルトック

 次のように丸い餅

これが主人公は分からずある時気づく

"松餅 ゾンビヨン"

   真っ白な米の生地をこね、一つ一つを半月形に形作りそれを蒸す。その蒸す前は、真っ白でこの世のものではないほど美しいと。

それを松葉を敷いた蒸し器で蒸すと熱と蒸気で色も質感も変わり、胡麻油も塗られる。美味しかったけど、変わり果ててしまう。

真っ白なものは蒸す前の姿だった。


白玉団子とか作ってる時、真っ白で美しいですもんね!



産着、霧、みぞれ、雪、塩、白い鳥たち…白いものはもっといろいろ。


装丁が凝ってる。

見返しは私の好きな純白!晒しクラフトの真っ白な紙。表はツルツル裏はザラザラの質感も好き

その次に、半分だけの白いページ

この半分の紙は和紙っぽい質感。


本文は5色の柔らかい紙が使われている。色ごとに少しずつ手触りが違う。



間に、白いものたちのモノクロ写真