サルディーニャの蜜蜂
内田洋子
作者はイタリアの情報を得るためにその土地に住む。時には山の上で、時には船上で。
その各地で出会った人たちをテーマにしたエッセイ集。
マンションの前の空き地が駐車場になる…というのは何十年も前に市に申請した結果。そして地下駐車場にする工事が始まった途端に指が入るくらいの亀裂が住んでいるマンションに…という話で始まり、
サルディーニャの蜂蜜だなと思いながら読んだ表題作。
サルディーニャ島の養蜂家がとる蜂蜜は、花の咲く時にそこで鉢を放して蜜を取る。1番希少なのは高山植物の蜜。島から出ることはないほど希少。古代ローマ皇帝のお気に入りだったという蜂蜜。
あー味わってみたい❤︎
山の上に住んでいた時は、向こう側の山で住んでいる人とライトで合図しあって、ある日晩御飯に招かれる。とても険しい山の頂上に住んでいるその人と家族の話。
船上生活をすることになったのは、丁寧に木材を組み立てて仕立てられた貨物用の古い帆船を見せてもらって。美しい骨董品のような風格。迷わずその場で購入と船上生活を始める。生まれ育った神戸の海が現れたように感じたからと。
どれも面白くて興味深い話ばかり。現代の話から、その土地のできてきた歴史が語られ目の前の話と大きな風景とが交わる。
本の窓に連載されているので、ネットでも読めますね。
