乗代雄介さんの作品を、『最高の任務』、『旅する練習』と読んできたので、群像新人文学賞を受賞したという『十七八より』を読んでみました。
気になりますよね。この写真。
岡上淑子 「ダンス」1951年
1950年からわずか6年間のみ美術界に姿を現し、幻の作家とも言われている彼女のコラージュ作品
探してみるとこんなシュールな作品が並びます。
この感じは小川洋子の作品に似合いそうな感じですね。
「十七八より」は、
最初に叔母の亡くなる時の話がある。
主人公は女子高生。過激な事をわざと口走ってしまったりして、学校で嫌な事が起こると帰りに寄る、叔母のいる眼科の受付
叔母は相談に乗るようで、解決してるのかどうか私にはわからない。
叔母との関係は「口に放り込んで味わいかける瞬間のあめ玉のように気を逸らす役割を担っていた」らしい
文学に詳しく、相談した時の返事も文学からの引用だったりします。
叔母以外にも、古文教師の朗読会(参加生徒は彼女ともう1人の男子のみ)でも世阿弥の話が出てきたりします。
その教師と生徒の関係、そしてそこにいる男子1名。この男子が、自分は邪魔だから…といったあとに言うセリフが好きです。
その他家族のシーン、病院のシーンなど色々細かい描写が良かったです。
どちらにしてもどの話にも結論はなく、それが文学っちゃあ文学なんですが、もやもやは残るかも
この主人公家族は、この後の作品、『最高の任務』にまた出てきます。
このおばさんとちょっと喋ってみたい。