12月に読んだ本


まとまりがない動物たち
-個性と進化の謎を解く-
MOUSY CATS and SHEEPISH COYOTES
ジョン・A・シヴィック
John A. Shivik



"動物行動学" 関連の本を読むと面白いことがわかったりするので読んでみたりするのですが、

これも新聞で紹介されていて読んだ本


作者はコヨーテの研究者で、ネコやニワトリを飼っている。
太ったペンギンのような体型の、トカゲ殺しとコヨーテいびりの達人のオスネコ
テラスからキッチンに入り込み、台所の屑をもらおうと探検する、もらうエサだけでじっとしていない、他とちょっと違うニワトリ

哲学者のようにじっと考え事をしているような昔飼っていた犬

科学の世界では、このような動物の個性のようなものはあまり認められていなかった。

この作者が研究しだした頃も(たぶん1980~1990年頃)
ダーウィンが1872年に動物の表情(情動と個性)について書いているのに。


他の本でも読んだんですが、動物の個性とかって、受け入れられず、科学的研究者にバカにされるネタで
ごく最近になってやっと研究が認められつつあることのようです。
動物には情動や野心はないと結論され、感情や個性があるというと、非科学的で、現実感覚のないセンチメンタリストだと

この作者もその様な教育を受けてきていた。
そこにいろいろな個性をテーマにした研究が出てくる。

チンパンジーやボノボなどは道具を使い分けることができる。


哺乳類でもなく、手もない鳥の、カレドニアカラスも種類の違う道具を順番に使うことができる。


カンガルーなどに利き手があることもわかる。


作者の飼っている犬は、「ビールをとってきて」と言うと、冷蔵庫に入った缶ビールを出して持ってきてくれる。
作者が一つ一つ動作を教えたら、それを組み合わせてすることができる。

缶を噛んで穴を開けた後は加減して噛んで持ってくるようになっている。


そこから作者は、動物は個性や情動に対して研究されたものを取り上げ、個性があると説いている。
哺乳類だけではなくいろいろな動物で。


キマダラコガネグモの20%は生殖行為前に配偶者を殺す。
ということは子孫繁栄はどうなってもいいのか。という疑問を持ち、いろいろな条件で実験している。
結果、メスの生まれ持った攻撃性があるものとないもの、その時に空腹かどうかでオスは生死が決まってしまう。
アメンボも同じ様な研究がされている。

ヨーロッパシジュウカラ
目新しい環境好きな勇者ちゃん
馴染みの環境をぶらつくだけのリスクをとらない臆病くん
勇者ちゃんは良質のエサの採れる時間を最優先し、臆病くんは餌食になるより空腹を選ぶ

その後の研究でわかったこと

家好きのメスは巣作りもうまくヒナも大きく育つ
その時に、性格が正反対のカップルのほうが、子供に両方の良い部分が植え付けられ健康状態も良いらしい。


このような、勇者ちゃん、臆病くん、攻撃野郎みたいなものが存在するのを他の動物でも研究している。

サンショウウオの幼生の研究では、
ほとんどのサンショウウオは暗くて安全な場所でじっとしている。
ところが、敵のにおいがするしないに関係なく飛び出すものがいる。食べられてしまうのに。
身を守るタイプか、危険だけどエサをたらふく食べることのできるタイプか
身を守る臆病なタイプは一箇所にいるため、そこが干上がったら全て死んでしまう。
勇敢なタイプは、エサが豊富なので成長も早く、体も大きくなる。
自然の行方に賭けた一生なのだ。


どの研究かわからなくなってしまいましたが、
勇者ちゃんと攻撃野郎は一致しなくて、
勇敢に出ていったり探検したりするものの中にも、
臆病そうな感じでじーっとしている、こもりっきりのようなものの中にも
均等に攻撃型はいるらしい。

こもりっきりの中の攻撃野郎ってちょっと怖くないですか?


こんな事する人もいるんだなと思ったのが、
1950年代から続くロシアのキツネの交配
毛皮のために飼育されてきたキツネを、従順な個体を選び交配させると
第4世代から尻尾を振るようになり、第30世代!?には飼い犬のような愛嬌を見せるキツネがほぼ50%になる
そしてほぼ全てのキツネが人になつくようになる。

う~ん、犬ってそんな感じで変わってきたのでしょうか...


もうひとつ、驚くべき実験(実験ではないですが)

アメリカで、「大きな体に愛を詰めこんだ様な、思わず抱きしめたくなるような子」である
おとなしい雄牛を飼っていた人が、若くして死んでしまったために大学の研究室でクローンを作ってもらう。
できたその子は外見はそっくり、行動の類似点もたくさんあった。(食べている時のしぐさが同じ など)
研究者はそっくり同じはずはないとおもつていたらしいが、クローン化に問題はない思っていた。
だが、成長するにつれて違う気性が現れ始める。
飼い主を攻撃し、ある時、宙に放り投げ角で突く。
そっくりなように見えるけれど性格はまるで違う。

ペットを蘇らせてほしい
という要望は多いらしい
クローンは一卵性双生児以上に似ることはないらしい。

一卵性双生児、見た目は似てるけど性格違うもん
とか、

中学生になったら一人は眉も剃り髪型もツンツンさせて気遣うようになったけど
もうひとりはぼさぼさもじゃもじゃのままで趣味嗜好までどんどん違うようになってきたね
とか言った気がします。(男子の一卵性双生児の話)

どんなものにも個性がある。

家で今飼っているのはイモリだけですが、エサを入れた時の水の臭いが嫌いで陸に上がってきていた子や(今はもう慣れたみたい)エサが来るとすぐに食いつきに来るけどすぐ逃してしまうちょっとおバカな感じの子とか、いろいろいます。



うーん、文も少しまとまりがなくてすみません...