ツレアイもいなくなり、あと一ヶ月足らずで新学期が始まれば末息子も大学の寮へ行ってしまう。 仕事場でその愚痴をこぼしていた。 スミは猛犬には程遠いし、か弱い女が初めての一人暮らし。 そうしたらきいていた同僚たちみんな声をそろえて言うには拳銃だな。 えーっ。
38では、当てるのは難しいし当たっても力が弱くて、せめて40はないとだめだろうとか、そりゃ、ショットガンだろう、要するに大体の方向に向けて撃てばいいんだからとか。 私の意見をまったく無視して勝手に盛り上がってどうするの。 トレーニングは必要だな、まず射撃場、それから銃の所持許可証を申請してと話はどんどん進んでいる。
おいおい、私は何も言ってないよ、やめてよ、冗談じゃない、と言う。 気違いに刃物、と言う言葉を思い浮かべる。 中年女性拳銃の暴発事故で足の指を2本なくす、なんて新聞記事になりたくないよ、まったく。
でもまったく気を惹かれなかったというとうそになる。