サイノスケは春休みの終わりの日に髪にハイライトを入れるといって、一緒に買い物に行った。 店にはブロンドからブルネットのさまざまな色の染料がたないっぱいに並んでいる。15分はかけてやっとライトブラウンを選ぶ。 美容院に行ってしてもらうと20ドルはかかるからと自分ですることにしたのだ。 染料のセットは7ドル。早速家に帰って、シャツを脱ぎ、説明書きを読んで液体と白い粉を混ぜ合わせて糊状にする。 それを同封してあるくしみたいなもので髪に塗りつけていくわけである。 どういうわけかそれは私の仕事と思い込んでいる。
私は髪を染めたり脱色したりしたことがない。 リュウザエモンを顧問になんだかんだといいながら狭いバスルームで3人奮闘。 あたま中白いすじだらけ。 途中からリュウザエモンが交代して塗りつける。後ろの見えないところにニコニコマーク描いてやろうとかいいながら。
出来上がりはあまり目立たないので、ちょっと不満そう。 もっとブロンドの目立つのにすればよかったなどという。 この子は長髪にしてみたり短くしたり、うるさい。 クマゴローとリュウザエモンはどちらも私に似た黒髪でいつも同じくらいの長さを保っている。 クマゴローはウエーブがかなりはいっているのに、リュウザエモンは直毛なのが違うだけ。 クマゴローを後ろから見ると、昔の父の若いころの写真にそっくりなのがおかしい。 サイノスケだけ、細くて少ない天然茶髪。 もうすぐはげるのではと恐れている。
ツレアイはずっと前からバリカンで自分で丸坊主にしている。 てっぺんが薄くなってしまったので目立たないようにしているそうだ。 かえって目立つのではと思う私。