春の味覚はなんといってもアスパラガス。 そのほかにないからというのが本音。 木の芽も、たけのこも、ふきのとうも、菜の花もない。 友だちのP氏がいつもアスパラガス狩りに行って、そのおすそ分けにあずかる。 新鮮なアスパラガスはそのままゆでて、塩だけでおいしい。キューピーのマヨネーズをつけたり、てんぷらにしたり、ハムとパスタをしたりする。


そのP氏が言うのに、彼のお父さんが死ぬ前、認知症だったそうな。 (そうか、痴呆症とはもういわないんだ。) あるとき、施設に訪ねると、日本軍の捕虜になっていたのを助けに来てくれたのかと、とても感激してくれたそうな。 それまでは何をしても気に入らない、一番末の息子に厳しい人だったらしい。 P氏曰く、認知症は悲劇だけど、おかしいこともあるんだそうだ。 ランボーみたいに、父親を戦争捕虜収容所からただ1人で助けに行くなんて、すごい。その気になって、調子を合わせたらしい。


あるとき、その施設の患者さんで、女の人だけど、髪は短いし、いつもズボンをはいていて男の人に見える人がいたそうだ。 お父さんが耳打ちして、こっそり言うことには、あの人、女に見えるだろう、でも本当は男なんだ、と。 うーん、あたらずともトウカラズ。


P氏は、認知症になって、お父さんはすごく優しくなったという。 微生物学の教授で、細菌戦略の武器の開発に加わっていたらしいけど、最後は、英語もおぼつかなくなり、心理的には亡命してきたポーランドに帰っていった。 


私がぼけたら、朝ごはん食べたの忘れて3回くらい食べそう。 ドイツ語のテストを受けてる妄想だけは勘弁願いたい。 今でも、夢で見てうなされるので。