以前、自殺数に関する記事を書いた時に触れましたが、
抗うつ剤と自殺数は相関しないと書いた。

ある裁判の支援の為に、PMDAの副作用報告の自殺関連の報告件数を調べてみた。

このデータは、医療関係者の自発的な報告で、氷山の一角に過ぎない。
また、販売量が違うのでそのまま比較できない。

それでも、いくつかの興味深い事実が浮かび上がった。

調べたのは、SSRI3種(ルボックス、パキシル、ジェイゾロフト)そしてSDA3種(エビリファイ、ジプレキサ、リスパダール)である。

データは、2004年~現在まで、PMDAに報告のあった自殺既遂、自殺企図、自殺念慮の項目の数を拾った。
(ジェイゾロフト及びエビリファイは、2006年以降)

左から、商品名、自殺既遂、自殺企図、自殺念慮、その合計である。

SSRI
ルボックス、13、41、14、68
パキシル、58、80、27、165
ジェイゾロフト、35、16,11、62

SDA
エビリファイ、29、45、5、79
ジプレキサ、15、35、3、53
リスパダール、11、16,1、28

参考
セロクエル、3,8,0,11
ソラナックス、1,2,2,5

まず、悪名高きパキシルは想像通り。
以外に多いのは、比較的使いやすいと言われているジェイゾロフト。
一番驚くのは、エビリファイの多さだ。

自殺の副作用は、SSRIの専売特許ではない。
SDAもそれに負けない自殺誘発剤である。

欧米で、SSRIに自殺の警告を出したら、自殺が増えたからといって、SSRIをシロだといっている意見があるが、それは違う。代わりの薬もまた、自殺誘発剤なのだ。

厚労省の方、SDAにも自殺の副作用の注意喚起出さないとダメでしょう。

自殺止めに、ジプレキサやリスパダールを使うという意味不明な処方が流行っているが、自殺止めに、自殺誘発剤を使ってどうする。