盛者必衰。
これは、古今東西、すべてに当てはまる法則である。
国家の盛衰のみならず、一人一人の個人にも当然当てはまる。
仏教や中国哲学においても、そう教えている。
生まれ変わるには、一度死なねばならない。
日本経済に必要なのは一度死ぬことではないか。
赤ん坊として生まれ、
不安定だが力にあふれた少年期を過ごし、
心身ともに充実した青年期を経て、
最高の王の時代を迎える。
底をピークに下り坂にはいる。
陰っては来たが、王の時代の貯蓄で安定した時期を過ごし、
病になり、
死に、
墓に入る。
そしてまた生まれ変わる。
この順番を変えることは出来ない。
これは、生きとし生けるもの全てが死を迎える事と同じように、真理である。
ピークを迎えた国家も個人も、それからあとは、どう死んでいくかという命題に取り組まねばならないはずである。
いかなる政策をとろうとも、この流れは止められない。
この流れに逆らうのではなく、いかに上手く死んでいくかを考えるのが正しい。
ピークは、バブル時代であろう。
世界の富の十分の一くらいをこの国は持っていた。
バブルが弾けてからの20年は、それまでの貯金を切り崩して生きてきたのだ。
いよいよ、病が明確になり、やがて死を迎える時期を迎えているのではないか。
こんなことを書くと、悲観的過ぎると叱られそうだが、これは事実である。
全ての指標は、これを裏付けている。
上手に死んで、早く生まれ変わるのが得策だと言いたいのだ。
JALの企業年金がどうにもならないのと同じで、ピーク時に作った仕組みは持つ訳がない。
JALも一度さっさと死んだほうが良いのではないかと思う。
もちろん、それで被害を受ける人には気の毒だが、死んでいくことには変わりない。
希望は、生まれ変わりにしかない。
出来ることは上手く死ぬことだけだろう。
恐れることはない。
個々の人間と違って、経済の死は本当の死ではない。
個々の人間は、生きながらにして、経済は、生まれ変われる。