偏食・過食による便秘


食べ過ぎ(過食)は便秘の原因となります。偏食も、便秘の原因となります。食べ過ぎ(過食)と偏食は、生活習慣病であるメタボリックシンドロームの原因ともなります。ダイエットのため、食べる量を減らし小食にしても、野菜中心の食事(ベジタリアン、菜食主義)にしても、便秘やメタボリックシンドロームの原因となります。夏に多い、スポーツドリンクやビールなどのアルコールの飲み過ぎも便秘やメタボリックシンドロームの原因となります。過食・食べ過ぎと、さまざまな形態での偏食は、内臓脂肪を蓄積させます。皮下脂肪の蓄積とは異なり、内臓脂肪の蓄積は、腸管、特に大腸を圧迫してしまい、それによって、腸の運動が弱まり便秘が生じます。痩せ型体形の人に多い糖尿病、高脂血症と高血糖、高血圧等の生活習慣病であるメタボリックシンドロームの多くが内臓脂肪を原因とし、また便秘も合併します。内臓脂肪は、便秘やメタボリックシンドロームのみならず尿漏れ・尿失禁の原因ともなりますので、尿漏れと便秘が合併した女性も多くおられます。ここでは、食べ過ぎ(過食)・偏食と便秘:メタボリックシンドロームや便秘の原因となる食べ過ぎと偏食についてお話します。食べ過ぎ(過食)や偏食を原因とする便秘は、生活習慣病であるメタボリックシンドロームや尿漏れ・尿失禁と密接に関係します。


生活習慣病であるメタボリックシンドロームや肥満の原因となる脂肪には、2つの種類があります。皮下脂肪と内臓脂肪です。お腹の皮膚の下にあって、摘まんだり掴んだりすることができるのが皮下脂肪です。ウエストのくびれがなく、下腹部がポッチャリした人は、皮下脂肪が多い体形の人となります。産後の女性や中高年の女性や男性によくみられます。他方、内臓脂肪は、外見からは溜まっていることが分かりにくい脂肪です。大腸、小腸、肝臓、腎臓、膵臓、胆嚢、脾臓、子宮、卵巣、腸間膜等の内臓や腹膜に付着しているのが内臓脂肪です。CTやMRIで腹部を検査しますと、腹腔内が脂肪組織で充満している像が観察されることがあります。これが内臓脂肪となります。皮下脂肪が多い人は、必ずしも内臓脂肪も多いとは限りません。また、その逆に、内臓脂肪が多い人は、必ずしも皮下脂肪も多いとは限りません。痩せ型体形の糖尿病は、この理由によるものです。皮下脂肪が少なく痩せているようにみえても、内臓脂肪が多いために、糖尿病が生じます。当然のことながら、皮下脂肪も内臓脂肪も多い人もおられますのでご注意下さい。


過食・食べ過ぎは、内臓脂肪を蓄積させます。過食・食べ過ぎとは、1日に必要なカロリー「推定エネルギー必要量」を超えるカロリーを摂取した場合と定義されるでしょう。推定エネルギー必要量は、性別や身体活動レベルによって、人それぞれ異なりますが、身体活動レベルが「ふつう」の20代から40代の男性では、1日あたり2,650キロカロリーとなります。50代から60代および70代以上の男性では、それぞれ2,400および1,850キロカロリーとなります。他方、20代、30代から40代、50代から60代、および70代以上の女性では、それぞれ、2,050、2,000、1,950および1,550キロカロリーとなります。これらの推定エネルギー必要量を超える食事を摂った場合、食べ過ぎた(過食した)状態であるといえます。過食・食べ過ぎた場合、余剰のカロリーは、脂肪として体内に蓄積されることになります。これが、内臓脂肪あるいは皮下脂肪の原因となります。


過食・食べ過ぎの原因は、①よく噛まずに食べる、②早食い、③時間をおいて出される料理です。よく噛まずに食べたり、あるいは早食いをしますと、満腹感を感じる前に過剰の食事を摂ることとなり、食べ過ぎや過食の原因となります。視覚(目)でも満腹感を感じます。洋食のフルコース、懐石料理、居酒屋での料理の追加などのように、一度に食べる全ての料理の全体像が分からない場合、個々の料理だけでは視覚的に満腹感を得ることがないために、結果として、食べ過ぎた状態となります。


ストレスもまた食べ過ぎや過食の原因となります。ストレスから食欲不振に陥るケースとは逆に、ストレスを感じると異常に食欲が亢進し、一度に大食いしたり、一日中食べ続けることがあります。「ストレス食い」とも「気晴らし食い」ともいわれ、大量に食べることがストレス解消の手段となっています。


ストレスが原因で食べ過ぎが持続しますと、食べては吐く、食べては吐くということを繰り返したり、過剰に食べては使用量の5倍の下剤を服用したりと、過食症に陥ることがあります。このような過食症になりますと、身体全体に悪影響を及ぼすことになり、便秘のみならず生活習慣病であるメタボリックシンドロームの原因となります。


食べ過ぎや過食による便秘は、胃腸の消化速度が、摂取した食事の量に追いついていない場合に生じます。消化機能が正常な人は、たくさん食べても便秘とはなりませんが、ストレス、胃腸障害や消化器系の病気、女性のホルモン変動、精神・神経系の病気など、消化機能や消化器機能が低下している人は、特に食事の量が多くなくても、普段より少し多く食べるだけで、消化スピードがついていけなくなり、便秘になることがあります。


偏食もまた内臓脂肪を蓄積させる原因となります。偏食とは、必要とする栄養素に偏りがある食事の状態のことをいいます。1日単位でみますと必要な栄養素の量を満たしていても、1食毎でみますと1日分の等分ではない場合も偏食といい、理想的な食事ではないとされています。ご飯好き、ご飯嫌い、肉好き、肉嫌い、野菜好き、野菜嫌い、等は全て偏食となります。朝食抜き、昼うどん、夕食フルコースも偏食です。お菓子類、ケーキ類、カップ麺などのインスタント類、ハンバーガー、カフェオーレなどの嗜好飲料、チーズ、ヨーグルト、牛乳などの乳製品等を好み、頻繁にそれらの食べ物を摂ることも偏食となります。バナナ、スイカ、ミカンなどの果物等のフルーツのみで食事を済ませることも偏食となります。夏の季節、熱中症対策として多量の清涼飲料水やスポーツドリンクを飲むことも偏食となります。この場合、これらの飲料に含まれる糖分によって糖尿病になることがあり、これをペットボトル症候群といいます。ペットボトル症候群では、血糖値の上昇により、満腹感が高まり、他の食べ物の食欲が減退し、偏食となります。


偏食は、体内で脂肪の合成原料となる栄養成分の過剰摂取によって、内臓脂肪の蓄積を促進させます。また、偏食は、栄養バランスに欠ける栄養成分の摂取となり、一種の栄養失調あるいは飢餓状態となります。このような状態になりますと、体は、飢餓状態を回避させようとして、不足する栄養成分を溜め込もうとします。特に、生きていくのに必要なカロリー量を確保するために、内臓脂肪が蓄積されるのです。このように、偏食による内臓脂肪の蓄積は、食べ過ぎや過食による内臓脂肪の蓄積とは異なったメカニズムで生じることになります。


過食・食べ過ぎも偏食も内臓脂肪を蓄積させる結果となります。既にお話しましたように、内臓脂肪は、腹腔内の内臓周囲に付着する脂肪ですが、特に腸を固定している腸間膜という薄い膜に付着しやすい特徴があります。腸間膜に内臓脂肪が厚く付着しますと、腸の筋肉はその動きが抑制されてしまいます。すなわち、内臓脂肪が蓄積されることで、腸の蠕動運動が抑制され、その結果、排便の抑制によって便秘が生じることになります。このように、内臓脂肪は、便秘の原因となるのです。「食べ過ぎ・偏食→内臓脂肪の蓄積→便秘」という一連の流れが、「食べ過ぎ・偏食を原因とする便秘」のメカニズムとなります。女性の場合、内臓脂肪の蓄積は、便秘や生活習慣病のみならず、尿漏れ・尿失禁の原因にもなります。これは、子宮や卵巣の周囲に蓄積された内臓脂肪によって、膀胱が圧迫されることにより生じます。


過食や食べ過ぎによる便秘には、カロリーオーバーとならないよう心掛けることが大切です。自らの推定エネルギー必要量を知っておくことが大切となります。また、ゆっくりと食事を摂ることが重要となります。 偏食による便秘対策については、人の食に対する嗜好性もあり、日常的には困難を伴います。偏食を回避させるということは、炭水化物、タンパク質、脂肪、ビタミン、ミネラルおよび食物繊維の各栄養素を過不足なく摂取することとなりますが、これを達成させることは、非常に難しいのも事実です。


厚生労働省による「日本人の栄養調査」によりますと、現代日本人が不足している栄養素は、食物繊維、カルシウム、鉄分の3成分となっていて、特に食物繊維の摂取が不足し、高血圧、糖尿病、脂質異常症、生活習慣病であるメタボリックシンドロームの原因とされています。「日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要」(厚生労働省)によりますと、1日あたり必要な食物繊維の摂取量は、成人男子で20グラム、成人女性では18グラムとなっています。しかし、現代日本人の食物繊維の摂取量は、その推奨量の5グラム程度低いといわれています。ですので、栄養素のうち、食物繊維を積極的に摂取することで、ほぼ偏食を回避させることができるといえるでしょう。


食物繊維は、水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維の2つに大別されます。このうち、生活習慣病、メタボリックシンドローム、内臓脂肪の蓄積あるいは便秘に有効な食物繊維は水溶性食物繊維であって、不溶性食物繊維の効果はほとんどないことが知られています。ところが、日常的に食事から摂取する食物繊維の90%以上は不溶性食物繊維であって、水溶性食物繊維はほとんど摂取していないことも事実です。不足する食物繊維の摂取に当たっては、水溶性食物繊維の摂取に心掛けることがとても大切となります。今では、スティムフローラのように、高純度に精製されたイヌリン食物繊維などの水溶性食物繊維が、健康補助食品として市販されています。このような健康補助食品を便秘の解消や内臓脂肪蓄積の抑制、あるいは生活習慣病やメタボリックシンドローム対策に活用することも有効となります。


猛暑の夏から食欲の秋にかけて、過食・食べ過ぎや偏食による便秘が増えます。年末年始での過食・食べ過ぎや偏食、冬の運動不足を原因としたカロリーオーバー(一種の食べ過ぎ)、春の解放感と新しい生活環境からくるストレスによる過食・食べ過ぎや偏食、夏の暑さを原因とした偏食と過食・食べ過ぎ等、食べ過ぎと偏食は、一年を通じて生じます。栄養バランスを考えた食事とイヌリン食物繊維等の水溶性食物繊維の積極的な摂取が、過食・食べ過ぎや偏食による便秘対策につながります。便秘対策は、内臓脂肪の蓄積対策にもなり、これは、糖尿病、脂質異常症、高血圧などの生活習慣病やメタボリックシンドローム対策あるいは女性の尿漏れ・尿失禁対策にもつながります。



水溶性食物繊維「スティムフローラ」

根菜類に含まれる貴重な天然成分であるイヌリン水溶性食物繊維は、腸内環境を改善し、自然な排便を促します。排便で苦痛を伴う方、お通じが毎日ない方、宿便気味の方、便が硬く排便が困難な方など、便の排泄にトラブルを抱えている方に、とても有用な天然成分です。スティムフローラは、この機能性の高い水溶性食物繊維を高純度(99%以上)に精製し、飲みやすいよう粒にした健康補助食品です。不純物を全く含まないので、病気で食事制限をしている方にも最適です。市販の食物繊維とは異なり、水に溶かさず、そのままお召し上がりいただけます。快適な、毎日のお通じのために!

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