アレルギー性鼻炎薬で便秘に!


ハウスダストや花粉などによって起こるアレルギー性の鼻炎でお悩みの方が増えていますよね。3人に1人は、アレルギー性鼻炎であるといわれています。アレルギー性鼻炎に伴う鼻水、鼻づまりなどの症状は、大変つらく、症状が長引きますと、集中力の低下やストレスの原因となり、仕事、勉強や生活に影響を及ぼします。アレルギー性鼻炎の根本治療は未だ確立されていないために、市販の鼻炎薬を用いている方も多いことと思いますが、鼻炎薬が合わない方や鼻炎薬を服用すると便秘になる方も多いです。アレルギー性鼻炎は、アレルギー体質が原因で発症する病気ですが、アレルギー体質となる仕組みについては解明されていませんでした。しかし、最近の研究によれば、腸内の腸内細菌が、アレルギー体質の獲得に影響していることが次第に明らかとなってきました。また、腸内環境は、便秘を引き起こす原因ともなります。このような腸内に生息する腸内細菌の環境は、アレルギー性鼻炎と便秘との関係を結び付けていることになります。ここでは、アレルギー性鼻炎薬の副作用としての便秘についてお話します。


鼻炎とは、鼻粘膜が炎症を起こし、鼻水、鼻づまり、くしゃみなどの症状が出る鼻の病気のことをいいます。この3つの症状は、鼻炎の三大症状とよばれています。ウィルス、細菌やアレルギーの原因物質であるアレルゲンなどが鼻粘膜に付着し、鼻粘膜細胞に入り込むと、私たちの体は、それらを異物と認識し、排除しようとします。この時、細胞中に貯えられていたヒスタミンなどの化学伝達物質が細胞から放出され、鼻粘膜の知覚神経が刺激されてくしゃみが出ます。くしゃみには、侵入してきた異物を吹き飛ばす防御的な働きがあります。また、異物が体内に侵入するとき、体内の免疫が働いて異物を排除しようとしますが、その時に、正常な細胞が傷ついてしまい鼻粘膜が炎症を起こし鼻炎が引き起こされます。


鼻炎は、急性鼻炎、慢性鼻炎、アレルギー性鼻炎、血管運動性鼻炎の4つに分類されます。急性鼻炎には、ウィルスの感染で起こる鼻風邪と単純性急性鼻炎とがあります。鼻風邪は、いわゆる風邪による鼻の症状で、鼻水やくしゃみが主症状となります。単純性急性鼻炎は、粉塵、煤煙、タバコの煙、空気の汚染、極端な温度変化、過度の乾燥や湿潤などの刺激で起こる鼻炎です。鼻粘膜は充血し、腫れることがあります。急性鼻炎は、通常、1週間ほどで治りますが、細菌が二次感染を起こしますと慢性鼻炎になることもあります。急性鼻炎が治らず、またその原因が除去されませんと慢性鼻炎に移行することがあります。慢性鼻炎では、鼻粘膜の腫れが著しくなり、粘膜が肥厚したり、鼻の骨が萎縮したりします。慢性鼻炎では、鼻水や鼻づまりがひどくなります。血管運動性鼻炎は、自律神経が障害されることにより生じる鼻炎で、外気の温度や湿度などに反応して、鼻水、鼻づまり、くしゃみなどの症状が起こります。


鼻炎の中で、近年、著しい増加がみられているのがアレルギー性鼻炎です。アレルギー性鼻炎は、鼻粘膜の1型アレルギー性疾患で、発作性および反復性の鼻水、鼻づまり、くしゃみを伴います。アレルギー素因(体質)をもち、血液中の特異的IgE抗体レベルの上昇、ヒスタミンを貯蔵する鼻粘膜肥満細胞の増加、白血球の一種である好酸球の増加、鼻粘膜の非特異的過敏性の亢進などの特徴を有するとされています。なお、1型アレルギー性疾患とは、IgE抗体によるアレルギー疾患のことをいい、アレルギーの原因物質であるアレルゲンを吸い込むことによって、鼻粘膜中で抗原(アレルゲン)抗体(IgE)反応が生じます。その結果、鼻粘膜の肥満細胞などからヒスタミン、ロイコトリエン、トロンボキサンA2などの化学伝達物質が放出し、炎症が引き起こされ鼻炎となります。


アレルギー性鼻炎は、季節に関係なく年間を通して発症する通年性アレルギー性鼻炎と、花粉症による鼻炎のように季節に応じて発症する季節性アレルギー性鼻炎とに分かれます。この分類は、アレルギー性鼻炎を引き起こすアレルゲンの種類と関係します。アレルギー性鼻炎のアレルゲンにはさまざまな種類がありますが、通年性アレルギー性鼻炎では、ハウスダスト、ダニ、カビ、細菌やイヌ、ネコ、鳥、ハムスターなどのペットの毛や羽が知られています。また、季節性アレルギー性鼻炎では、スギ、ヒノキ、カエデ、ブナ、ヤナギ、カシなどの樹木の花粉、ブタクサ、ヨモギ、クワモドキ、カナムグラなどの雑草類の花粉、オオアワガエリ、カモガヤ、ホソムギ、ハルガヤ、ススメノテッポウなどのイネ科植物の花粉などが知られています。季節性アレルギー性鼻炎は、花粉症の一症状となりますが、このように多くのアレルゲンが存在することから、季節性といいましたても、ほぼ年間を通してみられる疾患です。


現在、アレルギー性鼻炎は、国民の3人に1人の割合でもっているとされ、3,000万人から4,000万人の方がアレルギー性鼻炎であるといわれています。1960年代の前半には、そもそもアレルギー性鼻炎の人はほとんどいなかったのですが、1965年以降、アレルギー性鼻炎は増加し始めて、1970年代に入り数倍に急増し、今もなおアレルギー性鼻炎は増加しているといわれています。その一方、蓄膿症である慢性副鼻腔炎は、1960年代以降、アレルギー性鼻炎とは逆に減少しています。アレルギー性鼻炎が出現し、増加し始めた頃は、そのほとんどが通年性アレルギー性鼻炎で占められていましたが、その後、季節性アレルギー性鼻炎が急増しました。現在、アレルギー性鼻炎のうち通年性アレルギー性鼻炎が10~20%、季節性アレルギー性鼻炎が10~15%と、両者はほぼ同程度となっています。アレルギー性鼻炎の最近の増加は、特に、スギ花粉をアレルゲンとする花粉症によるものが著明となっています。ハウスダストや室内ダニをアレルゲンとする通年性アレルギー性鼻炎は、都市部で横這い状態となっていますが、町村部では、今でも増加しています。通年性アレルギー性鼻炎が出現した理由としては、1960年代後半からの住宅ブームに乗って、気密性の高い家屋が造られ、部屋全体の冷暖房設備によって、ダニやハウスダストが増えたためとされています。また、戦後において、スギが広く植林され、1970年代から花粉生産力の強い樹齢30年以上のスギ林面積が多くなり、それ以降、スギ花粉症による季節性アレルギー性鼻炎が増えたとされています。このように、アレルギー性鼻炎の出現とその増加は、スギ花粉、ハウスダスト、ダニなどのアレルゲンが、居住環境において増加したためといわれています。


アレルギー性鼻炎の発症原因にいては、未だ明らかにされていませんが、抗体(IgE)を産生させる免疫細胞のバランスが崩れたためと考えられています。近代の居住環境は、過衛生(きれいに成り過ぎ)がすすみ、人体にとっては異物となるさまざまな細菌や寄生虫に接する機会が少なくなったといわれています。現に、かつて、幼児や小児で多くみられた細菌の感染によって発症する副鼻腔炎(蓄膿症)は減少し、また学校の検便検査で寄生虫が陽性の児童も、今ではほとんどいなくなりました。このように、環境に存在する細菌などの異物の接触が減ったために、鼻粘膜アレルギーを引き起こす因子(サイトカインとよばれるタンパク質)を分泌する白血球の一種である2型ヘルパーT細胞(Th2)が増えることによって、アレルギー性鼻炎が発症すると考えられています。通常、Th2細胞は、その機能が過剰に現れないように1型ヘルパーT細胞(Th1)とよばれる細胞によって制御されています。すなわち、Th2細胞とTh1細胞とは、ちょうど天秤の平衡関係にあるのですが、アレルギー性鼻炎では、その平衡関係がTh2細胞に優位となっているのです。


このアレルギー性鼻炎の発症に関与するTh1細胞とTh2細胞のバランスに関与しているのが、腸内に生息する腸内細菌群であると考えられています。腸内細菌は、さまざまな種類の細菌で構成されていますが、そのうち、Th1細胞とTh2細胞のバランスを保つ効果のある細菌は、乳酸菌とビフィズス菌などの善玉菌であることが知られています。一方、大腸菌などの悪玉菌は、Th2細胞が優位な状況となり、アレルギー性鼻炎が発症しやすい状態となります。現に、乳酸菌の一種であるL-92乳酸菌を摂取しますとアレルギー性鼻炎の症状が軽くなったとの報告もあります。これは、乳酸菌がTh2細胞に働き、Th2細胞の自然死(アポトーシス)を促進させ、その結果、Th2細胞が減って、Th1細胞とTh2細胞のバランスが平衡状態になったためと考えられています。しかし、L-92乳酸菌は、胃酸や胆汁によって、摂取した量の90%以上が死滅するとされ、その効果が弱いという欠点があります。


便秘においては、大腸に生息する大腸菌などの悪玉菌が多く、その一方、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が少ない腸内環境となっています。すなわち、便秘は、アレルギー性鼻炎の原因となるTh2細胞が優位になりやすい環境となり、アレルギー性鼻炎を発症させるリスク要因となります。イヌリン食物繊維は、水溶性の食物繊維で、大腸内に生息するビフィズス菌や乳酸菌の栄養源となって、それらの善玉菌を増やす作用があります。L-92乳酸菌などの善玉菌を経口摂取しても、それらの菌は、大腸に到達するまでに死滅してしまいますが、イヌリン食物繊維は、胃酸、胆汁や消化酵素で分解されずに大腸まで到達し、効果的に善玉菌を増やすことができます。イヌリン食物繊維の便秘解消効果はよく知られていますが、それと同時に、乳酸菌やビフィズス菌が増えることによって、アレルギー性鼻炎の発症リスクが軽減されます。人の腸内には、もともと乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が生息していますので、それらの菌を増やす手法が、アレルギー性鼻炎の有効的な対策となります。今では、スティムフローラのように、不純物を含まない極めて高純度のイヌリン食物繊維が健康補助食品として市販されています。アレルギー性鼻炎薬が原因で生じる便秘の予防と改善に、このような健康補助食品を活用することも有用です。


今は、さまざまな種類の鼻炎薬が薬局などで販売されています。しかし、鼻炎薬は、全ての人が服用できるのではなく、意外に、使用の制限が厳しいお薬です。妊婦さんおよび授乳婦さんは、鼻炎薬を服用することができません。また、糖尿病、高血圧、心臓病、甲状腺の機能障害がある人などの持病のある方についても、鼻炎薬を服用してはいけないことになっています。となりますと、非常に多くの方が、鼻炎薬を服用することができなくなります。また、鼻炎薬の代表的な副作用に、便秘、口のかわき、眠気、不眠などがあります。鼻炎薬で便秘になった方も多いと思います。鼻炎薬で便秘になるのは、鼻炎薬の配合成分の中に抗コリン剤が含まれているためです。口のかわきも、抗コリン剤の副作用によるものです。アレルギー性鼻炎の鼻水は、鼻粘膜分泌腺の分泌亢進によるもので、抗コリン剤は、それに有効であるために鼻炎薬に配合されています。鼻づまりやくしゃみには効きません。抗コリン剤は、アレルギー性鼻炎の鼻水対策のために配合されているのですが、抗コリン剤は、腸管の蠕動運動を抑制する作用も有しているために、それによって、便秘が引き起こされるのです。このように、アレルギー性鼻炎が急増している中で、鼻炎薬にも多くの欠点があるのです。


現在、アレルギー性鼻炎の根治療法はございません。鼻炎薬の適用制限も広範囲に及びますし、副作用の出現頻度も比較的高いです。アレルギー性鼻炎の対策で重要なことは、いかに腸内環境を整え、アレルギー体質を変えるかにあります。腸内の乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌を増やす方策が、アレルギー性鼻炎の根本治療に近づきます。また、腸内環境を整えることは、アレルギー性鼻炎のみならず、アトピー性皮膚炎や慢性気管支喘息などのアレルギー性疾患の対策にもつながります。
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