こんな殺戮を起こしてしまう少年に対してつい共感してしまう、不謹慎にも程がある悪癖を持っている。 もし僕が、あるいは僕の身内がこのような事件の被害者になったなら到底許す気にはなれないだろうし、犯人への同情の余地はまったくない。そんなことは分かっている。百も承知である。それでもやっぱり捨てきれずに、共感してしまう。そして僕のように感じる人もたくさんいるはずだ。口には一言も出さず、ふっと浮かびあがったその不謹慎な思いをその場で封印して、何事もなかったかのように過ごしていく人。そんな人はいっぱいいるだろう。
僕は心のどこかに「みんな死んじまえ!」っていう思いがある。 それはひとえにロック少年が心に抱える茨みたいなもので、安っぽくもあり崇高でもあるルサンチマンみたいなものだ。分かる人にはよく分かるし、分からない人には分からない。そして、みんな死んじまえって思いながら、人の死を悲しんだり、不幸を憐れんだり、なんとかみんなが幸せになるように祈っている。こんな世の中なくなっちまえって思いながら、不幸な状況に置かれている人を心から不憫に思い何かできることがあればやってあげたいと思っている。
この映画の中で行われる二人の少年の大量虐殺はすごく美しくて、すがすがしい。
誤解を恐れずにいうと、この映画の中で行われる殺戮は極めて天災に近い。そこには思想も悪意もない。感傷や秩序もない。ただ即物的に殺人があるだけ。ある種、自然的だ。その非人間的な感じがなんだか心地よく、リアリティがある。映画としてはアメリカの片田舎のある曇った一日のことなんだけど 映像としては澄み切っていて爽やかだ。
こんな美しい映画はそうはないと思う。
