〔24〕の続き
 
ハイアーセルフのエミールさんのサポートを受けながらヒーラーの道を歩みはじめて一年が過ぎた頃のことだ。
 
ヒーリングをやるようになってから、友人から精神的な悩みの相談を受ける機会が増えていった。
 
「これからは仕事としてやりなさい。友人や親戚でもきちんとお金も頂きなさい。あなたが困ることになりますよ」そうエミールさんに言われたのだが、いまだにどこで線引きをするか難しいところだ。
 
 
ある日、しばらく会っていなかった友人の女性と食事をすることになった。
彼女は常に不安と不満を抱え、あまり幸せそうではなかった。
 
その日も彼女の話を聞いていると、自己犠牲による苦しみで、彼女自身の自己価値の低さからくるものだと感じた。
 
「もっと自分を許し、愛して欲しい」「自分を厳しく責めたり、傷つけたりしないで欲しい」そんな想いで、なんとも切なくて悲しい気持ちになった。
 
 
「もうさぁ、自分を大切な我が子や友人のように扱ってあげてみたらどう?可愛がってあげようよ!」
 
すると彼女は
 
「いやいや、私はまだまだ修行が足りないのよ」
 
即座にそう答えた。
 
 
「修行?そんなのする必要ないじゃない。特別なことしたり、遠くへ探しにいかなくたって、本当に大切なものは全て目の前の日常の生活や自分の中から見つけられるから…」
 
「いやいやいや…そんなことない」
「人に迷惑かけたくないし、これでいいの」
 
私がまだ言い終わる前に彼女は苦笑いしながらそう言った。
 
「迷惑?他人を気にし過ぎなんじゃないの?」
 
私はつい言葉に力が入り、顔が熱くなるのを感じた。
 
 
人間が作り出した観念による幻想の世界。
 
修行や苦労をしていないことが、自分が成長しないことや幸せにならない理由にはならないと常に思っている。
 
 
「ねぇ、ヒーリング受けてみない?助けになるかもしれないよ。気が乗らなかったら、自分でできるヒーリングも教えるよ」
 
私がそう言うと、どこも病気じゃないから、ヒーリングは自分には必要ないわと彼女は言った。
 
確かに彼女はヨガに通い、規則正しい生活を心がけ、食べるものにも気を遣っていた。
だが精神的なストレスは長年抱えたままだった。
 
感情面に調和をもたらす方法として、健康的な生活をすることは大きな助けになるが、自分の内側が調和し、心が軽くなることを自分に許さない限り、自分に何も起こすことはできないのだ。
 
驚くことに私も自分の過去を振り返ってみると、自分に許さないことの結果を、私はちゃんと自分に起こしていていたことに気がついた時、なんだかバカバカしくなって大笑いしたのを覚えている。
 
 
帰り道「自分を癒す力を持っているし、癒されたいと言いながら、なぜ本気で癒そうと思わないのだろう。なぜ愛そうとしないのだろう…っていうか、あの頑なさはなんだろう!」
 
そんなことを考えながら車を走らせていたら、ウッカリ道を間違えてしまった。
 
私はなんだかイライラさせられている感覚だった。
 
「結局は自分次第。仕方ないな…」
 
彼女に対して少し意地悪になっていた。
 
「あっ、意地悪だなぁー私。本当は自分の思い通りに行かないことに苛ついてるんだっぺよ」
「与えたがってるものを、受け取って欲しかったんだよね」
 
私の独り言は、ヒーラーになってから三倍に増えてしまった。
 
 
そんな私にエミールさんからメッセージが届いた。
 
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『あなたが愛だと思っていることが、人を傷つけることもあります。
あなたには経験のないことばかり。
経験のないことの方が多いのです。
想像力をフルに使いなさいね』
 
2011.11.4
 
 
彼女がどんな人と関わり、どんな環境でどんな経験をしているか、そしてこれまでに得た知識、いつのまにか擦り込まれた観念も私には分からない。
 
思い返すと、彼女が気にしていることや感じていることを「そんなこと関係ないじゃない」と私は否定していたのだ。
 
 
「そうだよね。どんなに想像しても人のここは分からないのに、ちょっと想像しただけでは、何も分かりっこないよね。ごめんね」
 
心の中で彼女に謝った。
 
そして私が気づきたいことに気づけるこの機会を与えてくれた彼女に感謝した。
 
 
自分が「正しい」「良い」と思うものを強く信じる気持ちはとで大切だが、行き過ぎると、そうでないものに「批判」「否定」「押し付け」が生まれることがある。
 
私にもそんなところがまだあるんだなと思った。
 
「まだ」というのは、私はこのパターンを昔から何度も繰り返してきていたことを分かっていたからだ。
 
そして、それを無くしたいとずっとずっと思っていた。
 
でもそんな自分をもう責めることもしなかったし、そんなところがあってもいいよと思えた。
 
上手く言えないのだが、自分の中にあっても、私はきっとそのうち、自分のそういうところは使わなくなる。必要なくなるしね…そんな気がしたのだ。
 
そしてちょっと変化してる自分を見れたことも嬉しかった。
 
人は常に変化していて、過去の自分ではもうないのだよと言われても、大人になるとよく分からないものだ。
 
でもこうして何かが起きた時の自分の反応を見て、あぁ、自分は前とは違うんだなと知ることができる。
 
 
ある時から、ネガティブな出来事が起きた時「もしかしたら、私がどの程度成長や変化しているかを確かめたくて起こしている現象かもしれないぞ…」そう考えるようになった。
 
すると、ワクワクしてきて、ネガティブに見えるだけでネガテイブなことではなくなってしまうのだ。
 
「私ならどういう意味にしたい?」
「どんな意味を与える?」
 
何かネガティブな事が起きた時、そう声に出して言ってみるのも良いかもしれない。
 
元々持っている意味はないのだと理解さえできれば、きっと意味を自由に選ぶことも楽しめるのではないだろうか。
 
「自分を知る。愛を知る」という旅は、本当に退屈することがない。
 
 
 
 

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