〔21〕の続き
 
 
『あなたは守られてますよ。
祝福されています。
 
家族に巻き込まれてため息をつきたくなる時もあるでしょう。
てもあなたはちゃんと周囲を、色々なものを、くるくると見ながら上へとあがってきていますよ。
心配しなくて大丈夫ですよ。』
 
清ちゃんは淡々とエミールさんからの伝言をそのまま伝えてくれた。
 
私はへへっと笑い、そして服の袖で涙を拭った。
 
「上手くは出来てないかもしれないけど、でも私もよくやってきたよ。」
 
私は心の中で私自身とハグをした。
 
同時に自分以外の沢山の人たちをハグしているような不思議な感覚になった。
 
私の心は、他の誰でもなく私自身に認めて欲しかったのだ。
 
私はこれまで自分を愛してきたつもりだったが、「もしやこれからからが本番?」そんな気もしてきたのだった。
 
エミールさんは翌日、ヒーリングについてのメッセージをくれた。
 
『今、今です。いつか今が最終段階だと分かる時がきますから、先の事は考えず今目の前のことだけ精一杯やればいいのですよ』
 
『まず頭からエネルギーを流すと、その人のエネルギーが動き出します。
そうするとリサーチがしやすいです。
どこに手を当てるかは、あなたが見つけなさい。
自分の感じるところに手を当てれば良いのです。
自分の感覚を信じてね。』
 
言われたように最初に相手の頭部に手を当てて体全にエネルギーを流し、それからリサーチするとエネルギーの違いがとても分かりやすくなった。
私はこうした小さな変化をもっと楽しもうと思った。
 
 
 
翌日の昼過ぎだった。
この日は私と父と中学生の姪の3人が家にいたので、3人の昼食を作っていた。
 

父は大きな声で家族の愚痴を言い出したのだ。

しかもとても辛辣な言い方にイライラしたが、余計ややこしいことにならないよう、我慢してただ聴いていようと思った。

 

ただ、姪っ子の前で家族の誰かを悪くいうのはどうしてもやめて欲しかったので、少し口を挟んだところ逆に父の怒りを買ってしまった。

 

父の気持ちも理解出来ない訳ではない。

 

私は調和的に接したいと思い、姪だけでなく父の気持ちも一生懸命に考えたのだ。

 

けれど、父のいるダイニングと私のいるキッチンの間に立ち尽くし、動けず黙って会話を聞いている姪を感じなが、身内の悪口を聴いているうちに、私は胸がドキドキしてきて、顔が熱くなってきた。

 

「もう、いい加減にして!子どもの気持ちも考えてよ!!」

 

私はすっかり冷静さを失って、気がついたら大きな声で父に怒鳴っていたのだ。

 

近くに立っていた姪の驚いている表情が目に飛び込んできた瞬間「あっ…やってしまったぁ…」そう思ったがもう手遅れで、父は一瞬黙ったが、声のトーンをやや落としながらも更にイヤミを込めながら家族への愚痴を続けた。

 

 

「さっ、ご飯ができたから食べよ〜」

 

私はいつも通りに振る舞おうとした。

でも今回はなぜか上手く切り替えられなかった。

 

 

その日の夜、昼間の事を思い出した。

 

ネガティブなやり方をしてしまったのではないかと気になり、少し気分がスッキリしないままベットに入った。

でも先日エミールさんが伝えてくれたことを思い出し、自分を責めることと、正当化するようなことを考えるのはやめておくことにした。

 

 

その翌日、清ちゃんから電話がきた。

 

「ゆきっぺさぁ、昨日家でまた何かあった?」

 

昨日のことについてのエミールさんからのメッセージだった。

 

「エミールさんにも清ちゃんにも、ホント隠し事できないなぁ〜」

私は左上を見つめてニヤっとし、心の中でそう呟いた。

 

 

つづく

 

 

{5FAC8885-062F-4D55-95AD-90D24DCC692D}

STILLホームページ

gmail
STILL公式LINE

LINEでご予約いただくとクーポンなどが使えます。

LINEでは個人的なメッセージのやり取りができますので、ご質問やちょっとしたご相談もお気軽にお送りください。