【可夢偉レポート】アブダビGP DAY1(P1&P2) | GOODSMILE RACING 広報ブログ

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アブダビGPは、今シーズンは、インドGPと連戦で開催されます。
ということから、機材はインドGPの日曜の夜にニュー・デリー空港を発ち、月曜の夜にはアブダビ空港に到着します。
そして、火曜日の朝からチームは直ちに荷ほどきとITシステム、ラジオシステム、そして電源廻りのインフラ設営に取りかかります。
技術スタッフや、メカニックは、それこそ休む間もなく移動して、こうした作業にとりかかります。
我々のようなドライバーとマネジメントも、こうした移動が滞りなく、無理なく、スケジュール通りに健康と睡眠状態を保ちつつ、かつ、ストレスが無いように気を配ってます。
2月1日のテスト解禁から9ヶ月、ほとんど休みという休みがありませんから、体調を崩すスタッフも少なくありません。
早い場合は、水曜日の夜からなんらかのイベントがありますから、その段取りを含めて、行程管理は大変です。
日本では聞き慣れないかも知れませんが、こうした物流移動管理をロジスティクスといって、専門の担当者が管理しています。
自己責任範囲と管理領域の設定など、いろいろ煩雑でスピードの要求される部門です。
この部門がしっかりしていないと、F1は成り立ちません・・・。
このロジスティクス部門も、他業種に比べてもF1は卓越していると言えるでしょう。
Sauberでさえ、機材の全てが書類で1品ずつ管理されていて、輸入輸出通関をスムーズに行い、ドライバーやマネジメントを除く65名のスタッフが、20時間でニュー・デリーからアブダビへの移動を終えるのですから。

こうして、水曜日の夜には、KOB用のC31がフルストリップメインテナンスを受けて木曜日の公式車検を受けます。

インドGPからは、若干の改善パーツが投入され「こうしたら、パフォーマンス・アップに繋がる可能性がある」と、いう部分を集中的に作業する予定を組み、KOBはP1とP2を迎え、ラップタイムは追究しませんでした。
それが、順位的には低迷した理由です。
それに、地元の情報によると1週間ほど前に砂嵐が、サーキットの辺りを覆い、細かな砂が路面に落ちているということで、路面の清掃は済んではいても、グリップと要となるアスファルトの凹みには砂がいっぱいという状況で、この砂がタイヤに吸着して取れない限りは、正常なグリップは期待できません。

まずは、エアロ・パッケージの効率確認と、インドGPの反省を含めて、追い越しが可能なように7速をロングに振るというセッティングを施しました。
外から見える状況としては、この砂嵐の影響を受けたのか、KOBだけではなく、誰もが4つのタイヤのブレーキ中のロックや、コーナー旋回中のスライド、そしてコーナー立ち上がりのトラクション不足に苦労しています。
実際、その砂の影響からから、P2が終わった時点で、ほとんどのドライバーが昨年の同時期に行われたアブダビGPのP2より2秒前後ラップタイムが遅いという状況に直面しています。
KOBに関して言うと、車の根本的なコーナリングの挙動はアンダーステアなのですが、コーナーのエントリーでリヤタイヤがロックしてしまうという状況でタイムロスをしています。


とりあえず、この状況を空力セッティングで、どこまで改良できるかがカギとなりそうな状況です。
もっとも、このような順位とラップタイムでも、タイヤの摩耗度合いはコントロールできていて、目標のポイント獲得は十分に可能な手応えはありますので、DAY2の予選をお楽しみに!



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※レポート内のドライバー略称は以下の通りです。

KOB=小林可夢偉