夢の中の父と母へ

 

久しぶりに夢の中の父と母に話そう

ずいぶん暢気のんきな気分になって

働けるようになったぞ

あなた方の選んだ嫁さんとは別れたが

それほど寂しい気もしない

あの女ひとは時々金に困ることもあるようだが、

なんとか生きる道筋を見つけるだろう

時には、まだ生活できない私の息子の

夢にあらわれて助けてやってくれ

俺の体の方は順調で

ときどき下腹がぽっくりふくらんで

苦しいこともあるが

医者は、手術をする気になったら、またおいでと、

それより、この先何年生きることになるのだろう

死んだあなた方もいつまでそちらにいるかわからない

いずれまた、新しい人生をやり直すのだろう

こちらは息子のためにもう少し頑張ってみるつもりだ

今はまだ

寂しい道のりを独りで歩きながらでも