前回に引き続き「シャッタースピードの話」です。
露光(光の量)を調整する目的と同時に写真の「演出」としても使われます。

今回は「シャッタースピードを使いこなす」というお話です。


【シャッタースピードとは】

前回のおさらいとして...
「シャッタースピード」はカメラの露出(光の量)を決める要素のひとつで「絞り」「ISO感度」との兼ね合いで決定します。

また写真の”演出”でも使われていて...
●高速シャッターにすれば”動きが止まり”迫力が出る
●低速シャッターにすれば”動きがぶれて”動感が出る

*前回の記事はこちら↓
https://ameblo.jp/stereo-gn-ryoma/entry-12550495605.html?frm=theme


【シャッタースピードの目安】

それでは写真の「演出」におけるシャッタースピードの目安を見ていきましょう。

①1/1000秒(かなり遅い)
SS1/1000秒以上で撮影するシーンはあまりなく、よほど速い被写体を「ピタッ」と止めたい時にだけ使います。光量が多すぎるときに使うようなシャッタースピードですね^^

*モータースポーツ

新幹線やモーターレースなどで1/1000秒で撮ると問題なく止められます。


②1/500秒前後(速い)
SS1/500秒前後ではスポーツの写真や水しぶき、走る動物などいわゆる動く被写体を止めて撮ることができます。

*餌をはむカモメ

鳥でも動きの遅いカモメなら1/500秒前後でも止めて撮ることができます。これがハチドリなど羽ばたきの速い野鳥なら厳しいかもしれません。


③1/200秒前後(普通/やや速い)
SS1/200秒前後では日常よく使われるシャッタースピードとなります。被写体の動きの速さによってはブレ(被写体ブレ)が起こったりします。

*立ち止まってる小鹿

演出としてあえて1/200秒にこだわることはありません。露出を適正にするために設定上これくらいのシャッタースピードになることがよくあります。動かない小鹿ならぶれることなく撮れますね。
しかしこの辺りから”手振れ”には注意しましょう。


④1/60秒前後(普通/やや遅い)
人間の目(肉眼)が動体をとらえるのが1/60秒になります。動く被写体はごく自然にぶれますし、この辺りになると”手振れ”が注意してても生じます。
カメラ/レンズの「手振れ補正機能」を”ON”にしましょう!

*揺れるススキ

SS1/60秒前後では風に揺れるススキも見た目通り”被写体ブレ”を起こします。意図を持った被写体ブレは失敗ではありません。注意すべきは”手振れ”です。

見極めるポイントは「ススキだけ」がぶれていたら”被写体ブレ”で「写真全体」がぶれていたら”手振れ”ということになります。


⑤1/10~1/2秒(遅い)
SS1/10~1/2秒くらいになると低速シャッターといわれます。「演出」として使われる低速シャッターでは川の流れを”ソフト”に滝の流れを”白糸のよう”に表現できます。

*川の流れを演出

これくらい遅くなると「手振れ補正機能」をもってしても手振れが生じます。できれば三脚、レリーズもしくはセルフタイマーを使いましょう。


⑥1秒~(かなり遅い)
SS1秒以上遅くなると”スローシャッター”といわれます。川や滝の演出もそうですが、花火の長秒露光や車のヘッドライトによる光跡の写真が撮れます。

*花火の長秒露光

完全に写真の演出となるスローシャッター。剛性のある三脚、レリーズは絶対条件となりますね。


⑦30秒前後(最大に遅い)
SSが30秒となると星景写真の分野に入ってきます。普段の撮影ではまず使うことのないシャッタースピードとなります。

*星景写真

満天の星空。天の川なんて肉眼で見ることはできません。写真ならではの表現であり、一生に一度はきれいな星空を撮りたいものです^^


【シャッタースピードを使いこなすまとめ】

●1/1000秒以上(かなり速い)→新幹線
●1/500秒前後(速い)→水しぶき
●1/200秒前後(普通/やや速い)→動物
●1/60秒前後(普通/やや遅い)→肉眼
●1/10秒~1/2秒(遅い)→ソフトな川
●1秒~(かなり遅い)→花火や光跡
●30秒前後(最大に遅い)→星景写真
手振れと被写体ブレは見極めよう!


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【詳細】 https://stereo-gn.com/photo