前回、「カメラの”絞り”で”ボケ具合”が変わる」というお話をしました。
前回の記事はこちら↓
https://ameblo.jp/stereo-gn-ryoma/entry-12536892921.html?frm=theme

今回はF値(絞り値)ごとに、どれくらい被写界深度が変わるのか?
と「絞り」と「露出」の関係性について解説していきます。



【「絞り」とは/前回のおさらい】

●「絞り」でピントの合う範囲(被写界深度)が変わる
●絞りの値は「F値」(F2.8とかF4.0...)で表示される
●絞りを開ける=F値を小さくする→被写界深度が狭くなる
●絞りを絞る=F値を大きくする→被写界深度が広くなる


【F値と被写界深度を比較】

それではF値を変えるごとに「被写界深度がどれだけ変化するのか」
を見ていきましょう!

*撮影環境...
ピント位置は手前の”招き猫”に固定し三脚に据えています。
F値を一段ずつ大きくしていきました。
背景の”ミニカー”と”ソファ”に注目してください。

①F2.8

②F4.0

③F5.6


④F8.0

⑤F11


⑥F14

⑦F16


写真①~⑦を見ていただくと一目瞭然ですね。
F値が大きくなるにつれ背景のミニカーの輪郭がはっきり見えてきて
ソファの”ざらつき”もくっきり見えてきます。

例えば、「この招き猫を見てほしいんだ!」と思った場合はF2.8とかF4.0辺りに
絞りを設定するといいでしょう!
F11以降では”邪魔な背景”が写りすぎて、主題の招き猫が際立ちませんからね。


*シーンによって「ボケを生かした写真」にするのか「くっきりシャープな写真」
にするのかを使い分けられるようにしましょう!



【絞り(F値)は被写界深度以外に露出(光の量)も変える】

*ここで少し触れておきたいことがあります。

絞り(F値)と被写界深度の関係性をお話してきましたが、
絞り(F値)の本来の機能は「露出(光の量)を調整すること」です。

*カメラというのはレンズから光を取り込んで撮像素子(センサー)に当て、
電気信号によって写真や映像に起こすことができます。


なのでカメラと露出(光の量)は切っても切れない仲なのです。


*その露出(光の量)を決める”3つ”の要素が
「絞り(値)」「シャッタースピード」「ISO感度」になります。

*露出(光の量)は「段数」で数値化されています。
(「露出を1段暗くする」とか「3段分明るくする」など...)


【絞りと露出の関係性とは...】

以上のことを踏まえたうえで
「絞り/F値」と「露出/光の量」の関係性を早見表で見ていきましょう。



F値がF4.0の時を基準にすると...
●光量を8倍にしたい場合は「絞りを3段分開ける」といい
●F値をF8.0にしたい場合は「絞り」を2段分絞ればよい。


この絞り(F値)と段数の早見表は覚える必要はありませんが、
感覚で理解しておくと今後役に立つかもしれませんね。


【絞り(F値)と被写界深度、露出(光の量)の関係まとめ】

●「絞り」でピント範囲(被写界深度)が変わる
●シーンに合わせて「絞り」を調整する
●「絞り」で露出(光の量)が変わる
●「露出(光の量)」の3つの要素は「絞り(値)/シャッタースピード/ISO感度」
●「露出(光の量)」は「段数」で数値化される
●カメラと露出は切っても切れない仲である



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【詳細】 https://stereo-gn.com/photo