久しぶりに古代歴史の話。
わたしはまず、ある神代文字の不思議から始まって、古事記のストーリーを調べ出したわけなんですけど、出雲の国譲りらへんが面白さの盛り上がりのピークだなって思っていました。
なので、神武天皇以降の歴史にはさほど興味が湧かなかったんですよね。
しかし、推しのYouTubeチャンネル(TORAND VLOG)で、神武以降の天皇の系図を読み解くシリーズを見ていたら、一気に面白くなっちゃいました。
参照⇒歴代天皇の系譜
古事記と日本書紀で、そんなに人物名が違うの?ってややこしいですよ。
漢字の表記が違うのは仕方ないとしても、全然名前が違うんじゃ、どっちがホントなのさ?と思いますし。
そもそも誰なんだ?と思うしw
神武天皇がヤマトの地にやってきて、ここでニギハヤヒやナガスネヒコとの間の国譲り話が展開します。
出雲の国譲りとなんか似てる。
絶対に平和に解決なんてしてないはずだけど、ニギハヤヒはすんなり承諾。
ただ、ニギハヤヒの家来のナガスネヒコは抵抗。
ここは、コトシロヌシ(事代主)は承諾したのに、息子のタケミナカタが抵抗したのに似てる。
過去記事⇒オオナムチは調べれば調べるほど面白い
そんな神武天皇(カムヤマトイワレヒコ)は、ヤマトで新しい正妻を娶ることになります。
その姫君の名前は、比売多多良伊須気余理比売命(ヒメタタライスケヨリヒメ)です。
漢字でもカタカナでも長すぎてどこで切ったらいいんだか分かんないw
おそらく【ヒメ タタラ イスケ ヨリヒメ】なのかな。
日本書紀では媛蹈鞴五十鈴媛(ヒメタタライスズヒメ)だそうです。
あ、そうそうこの話をする前にこの姫の両親の話をしないといけない。
以前も記事にしましたが、トンデモナイ出自なんですよ。
過去記事⇒同一人物をつなぐ謎のイケメン
セヤダタラ姫という美女が用を足している最中に、赤い弓矢に姿を変えた大物主(オオモノヌシ)が、女性のあの部分(ホト)に突き刺さるという衝撃のエピソードでしたよね。
なにがしかが女性のホトに突き刺さるエピソードは他にもあって、まあ性的なシーンをオブラートに包んだ感じなのか?と推測します。包み方がおかしいですけど。
そんなこんなで生まれたのが、このヒメタタライスケヨリヒメなわけです。
神武天皇の正妻なのに、生まれ方が完全にファンタジー。
一説では、この生まれ方をそのまま採用して富登多多良伊須須岐比売(ホトタタライススキヨリヒメ)だったんだけど、その『ホト』って部分やめてよ!ってなって、改名したとw
まあ・・・たしかにホトをそのまま名前に採用されるのはいやだよね。
デリカシーないのか!?とも感じるよね。
でも、漢字表記の【富登】というのは、トミのナガスネヒコもそうであるように、出雲口伝では王家である【富(トミ)】家の文字ではあるから、隠れた意味はあるのかもしれません。
逆に、富家のことを隠すために後に改名した可能性もあるかもね。
そして、【タタラ】の部分。
これは母親も『セヤダタラヒメ』とありますし、たたら製鉄関連ではないかと。
めちゃくちゃ久々に【古代鉄】の話。
このブログの初期はずっと古代鉄やたたら製鉄の話(それ関連の昔話)ばかり調べていましたからねw
過去記事⇒銅鐸の秘密⑥
でね、神武とイスケヨリヒメの間に生まれた息子が三人いまして、その名が
長男【ヒコヤイノミコト】二男【カムヤイミミノミコト】三男【カムヌナカワミミノミコト】です。
もはや呪文か早口言葉です。
二男と三男の名前が似すぎです。
【ミ】が多すぎです。
ちなみに、神武には東征前に最初に結婚した別の姫がいまして、この姫との間の息子の名前は長男【タギシミミノミコト】二男【キスミミノミコト】
こっちもです。【ミミ】って単語にきっと意味があるんでしょうね。
じゃあなんで長男の名を【ヒコヤイミミ】にしなかったんだよ?と逆にそっちはそっちで気になるよ。
【ヒコヤイ】と来て、【カムヤイ】と名付けたから【ヤイ】にも意味がありそうだけど。
なんだかんだありつつ、最終的には三男の【カムヌナカワミミノミコト】が次の天皇に選ばれます。
いやいや、なんだかんだで片付けるわけにはいかないか。
結構衝撃エピソードだし。
神武天皇が亡くなって、最初の妻の長男【タギシミミ】が「俺が次の天皇だ!!」とやって来るわけなんです。で、なんと父親の妻のヒメタタライスケヨリヒメと結婚します。
許されるのか分かんないけど、箔が付くってことなんでしょうね。
前皇后なわけですから。
でもって、イスケヨリヒメの三人の息子を亡き者にしようと画策します。冷酷非道ですな。
きょうだいとは言え、赤の他人っちゃ他人。最大に目障りなライバルってわけですからね。
で、逆にタギシミミは殺されて、勝利した【カムヌナカワミミ】が綏靖(すいぜい)天皇となります。
この【カムヌナカワミミ】という名前にも気になるポイントがあります。
それは【ヌナカワ】という部分。
以前、翡翠の謎を調べているときに登場した姫君がいます。
その人の名前が【ヌナカワヒメ】と言うんです。
過去記事⇒勾玉と言えばヒスイなのに・・・の謎 シリーズ
過去記事⇒ヌナカワヒメ外伝
ヌナカワヒメは越の国(今の新潟)の方で、オオクニヌシの妻でありタケミナカタの母親ではないかという人物です。
しかも、【カムヌナカワミミノミコト】は、タギシミミを倒した後に【タケヌナカワミミノミコト】という名前ももらっているんです。
かぶっとる、かぶっとる。色々かぶっとる。
そして、綏靖天皇は誰と結婚したかというと、母の妹(つまり叔母)の【五十鈴依媛命(イスズヨリヒメ)】です。
母親と名前が似すぎている。
しかも、イスズヨリヒメの父親はコトシロヌシ(事代主)だと言うではないか。
お母さんは衝撃の大物主の娘で、叔母は事代主の娘?
事代主も、出雲の国譲り時代の登場人物なんですから、また時空を超えたファンタジー的なことで娘が生まれたんでしょうか。
大物主の時は、事細かくおかしなエピソードが書かれていたのに、今回は割愛されている。
そもそも事代主って、国譲りをあっさり承諾した後は消息不明になってますからね。
このあたりは≪鴨≫を追っかけていたころに色々書きました。
過去記事⇒さらに【鴨】を追いかけてみた
そんなイスズヨリヒメの古事記での別名は【河俣毘売(カワマタヒメ)】
なんもワードがかすりもしない名前w
それはそれで、なんでやねん!と思う。
そして、イスズヨリヒメの息子も、カワマタヒメの息子も名前は【シキツヒコ】なんだって。
だから同一人物確定なわけね。シキツヒコって名前がありふれたものでないなら。
そして、このシキツヒコは安寧天皇となります。
その後、鴨王とよばれる事代主の孫の娘(ヌナソコナカツヒメ)と結婚するそうです。
でたわ、鴨!
そして事代主!
どこまでも出てくるねぇ・・・
かすったり、かぶったり、時空超えたり・・・盛りだくさん過ぎて本当に面白いですね。
話が破綻しようとしたら強引に辻褄合わせしようとして失敗してるんだか、狙ってんだか分からないところも面白くていいですよね。