また間が空いてしまいました。
わたしの選んでいる本が、どんどん興味だけで惹かれるものの、中身が難解でついていけない・・・というループにハマっていて、読み砕くのに時間がかかってしまうんです。
いえ、正直言うと
ほぼ読み砕けてなどいない
ううっ
しかも今、記事を書き始めてまとめようかと思った矢先、書いていたものが全て消えるというガックリ膝砕け状態に。。。ちょこちょこ保存する癖をつけていたのにぬかったわっ。
ということで、また一から書き直しているのですがもう何をどんな順番で書いたか分かんなくなったわよ。
ああ、そうそう。
今読んでいる本はこちらです。
精霊の王。素敵なタイトル
そして、この写真は人面把手付き土器とも呼ばれているもの。
出産を表現してるとも言われています。
縄文土器ってホントにデザイン性が群を抜いていますよね。岡本太郎が絶賛するのも頷けます。
やはり、命が生まれるという現象は、生物にとって最も神秘的な事だと思います。
命って何なんだろうって。どこから発生するんだろうって。
受精するからとかそういうことではなくて、じゃ、なんで受精するんだ?細胞はどこから生まれるんだ?
それは今もって分かりません。
なので、古代の人はその神秘的な生命の誕生のエネルギーを色んなものに例えてシンボルとし、畏れと感謝をもって大切にし、そのエネルギーが生きている自分たちにも注がれるように祈り、作物の豊作のエネルギーとなってくれることも願うのでした。
もちろん女性が産み落とす命だけではなくて、大自然の大樹や地球の営みで生まれた大岩なども生命のエネルギーとして敬います。そこには『目には見えないけれども【存在する】空間(エネルギー)』があると感じるのです。
仏教でいうなら【空(くう)】、宇宙でいうなら【ダークマター】とか【ダークエネルギー】というものかもしれません。
そんな『目には見えないけれども【存在する】空間(エネルギー)』を舞に込めた猿楽などの古来の芸能と、古層の神との関係をからめつつこの本は進んでいきます。
最初は、蹴鞠とか猿楽の話から始まったので、「縄文とどういう関係が?」と思いながら読み進んでいきましたが、これは単に古代のスポーツとかダンスの話ではない。
スケールが壮大だ。
これは、以前記事にした折口信夫氏の話に通じる。
過去記事⇒折口信夫による古代研究
舞や相撲などは、神に奉納するなどと呼ばれたりもしますが、そもそもなんで神に奉納するのか?
神さまが喜んでくださるから?そして豊作を約束してくださるから?疫病や災害から守ってくださるから?
神さまという存在は、わたしはいるとは思っています。精霊とか魂とか龍神とか言い方は何でもいいですが、大気のように偉大な生命のゆりかごのような存在があるとは思っています。
しかし、神様は人間と取引したりはしないとわたしは思っています。
過去記事⇒天の≪カミサマ≫との取引き
命を捧げますので、雨を降らせてください!とかそういう取引の事です。
お供えが悪いとかそういうことではありません。
アイヌの熊送りなど、古代から世界各地にある儀式には深い意味があります。一見、神様へのお供えの儀式で、現代の人間の見方によっちゃ単に残酷に映るものですが、これは取引きではないと思います。
わたしがここで言ってる取引とは、「これを捧げますから、見返りにこうしてくださいね」という交渉です。
こういった儀式のそもそもの起こりは、見返り目的の交渉ではなくて、大自然の命への感謝だったと思うんです。
『目には見えないけれども【存在する】空間(エネルギー)』を体現するために猿楽などの芸能は生まれたというのも、壮大な話でした。
この本では、金春禅竹(こんぱるぜんちく)という室町時代の能楽師が書き残した≪明宿集≫という書物を取り上げて説明してありました。
もちろん、こんなの読めるわけはないので、現代訳です。
でもね、とてつもなく難しくて何言ってんだか分かりません。。。もう、自分の頭の悪さが憎いわっっ
猿楽の始祖は秦河勝(はたのかわかつ)と言われていたりするらしいの。
古代でお馴染みの≪秦氏≫ね。いろんな技術や宗教などを古代日本にもたらした渡来人って言われてる一族。
秦河勝は、聖徳太子とともに国造りをした人物とされています。わたしもマンガで読んだけど、太子の完全に右腕的存在だったわよ。
漫画の中では、舞を踊ってるようなシーンは無かったけどね。完全に武人っぽかった。
逸話として、欽明天皇の世に、初瀬川が氾濫した時に壺に入った赤子が流れてきて、その子が救い出されたときに「わたしは秦の始皇帝の生まれ変わりだよ」と言ったとされ、神童現る!!とどよめきがおこり、秦の始皇帝の≪秦≫と川を流れた来たから≪河勝≫と名付けられたというものがあります。
すんごい逸話。
後の世に神格化して摩多羅神と同一視されたり、芸能の神として崇められたりしています。
聖徳太子が、河勝に「六十六番の物まね」を作らせて紫宸殿(ししんでん)で舞わせたことが始まりだともWikipedia情報にはありました。六十六番って何だ?(←分からん)
明宿集には≪翁式三番≫の翁というものを取り上げてあり、この≪翁≫が超重要ワードっぽい。
翁式三番を説明するWikipedia情報にも、明宿集の記述でこうあります。
金春禅竹による能楽理論書『明宿集』の中に、翁を論じた箇所が見える。禅竹は翁を「猿能の能の世界を司る存在」と捉えていたようである。老爺の容姿をしており、人間の目では無意識の状態でのみ姿を見ることが出来る存在。したがって、意識して見ようとすれば見えない存在である。また同書では、翁とは「宿神」つまり、この世とあの世を繋ぐ精霊のようなものと記されている。
【精霊の王】は、まさにこの翁のことを精霊(宿神)を表しているんだと説明してるんです。
だから、最初に蹴鞠だの能楽だのの話が出てくるんです。
読んでいるうちにどんどん繋がってくる感じ。だかしかし、途中で超難解な話になってくるけどね。「あれ?なんか宇宙量子学の時にこんな話あった気がするぞ?」みたいなね。
だって、古層の神は、宇宙そのものだから。
ただの石ころや木の柱をたてて祠に仕舞って拝んでたって話じゃないから。
超壮大な話なんですw