外国文学に苦手意識があるわたしなのですが、どんな話なのかな~くらいは知りたいと思う時があります。
でも、きっと原作は読み切れないので、今回もマンガです。
スタンダールの≪赤と黒≫
もちろん、里中満智子先生!
里中先生に対する絶大な信用w
この人がスタンダール。
スタンダールというのはペンネームだそうです。
フランス人の作家です。
恋愛論というのも代表作です。
Wikipediaによると、幼いころに母親を亡くしていて、かなりのマザーコンプレックスのようです。
源氏物語の光源氏と同じだね。
違うのは、ご自身はさほど恋愛経験は多くなさそうってところ。
この違いは大きい。
恋愛経験豊富な人の語る≪恋愛論≫と、経験は少ないけど、人間観察などを基に頭で考えるタイプの人の語る≪恋愛論≫、あなたはどちちの意見を聞きたいですか?
さて、赤と黒は、何の色なのかというと≪赤の軍服≫と≪黒の聖職者の服≫なのだそうです。
まあ、こんなイメージかな。
主人公のジュリアン・ソレルは19歳。製材屋の末息子です。
愛する母を早くに亡くし、父や兄は学問なんて必要ないと考えるようなタイプ。
見た目が美しく聡明なジュリアンに「なまっ白くて腕力が無い」「本など読んでどうなる」と全く期待していません。
ジュリアンは、そんな貧しい身分出身であることを激しくコンプレックスに感じており、
とにかく出世したい!!権力が欲しい!!とひたすら勉強に励みます。
最初は憧れのナポレオンのように軍人で成り上がりたいという夢がありましたが、ナポレオンが失脚して王政復古の世に逆戻り。
それならば聖職者(教会)の実力者になりたいと進路を変更。
この物語は、彼の立身出世ストーリーですが、サクセスストーリーではない。
優秀なので、名家(レナール家)の住み込み家庭教師になったり、神学校の校長の後ろ盾を得たり、侯爵家の秘書になったりと着々と出世していきますが、上流階級の人間に侮られたくないであるとか、征服したいという気持ちから、人妻(レナール夫人)に手を出したり、侯爵家の娘(マチルド)と恋仲になったりと、結構危険な恋愛に足を踏み入れたりします。
上流社会の人間がみんな、下級階級の人より上品で学があって優れた人間というわけではないです。
確かに、学問を身につける教養はあるかもしれないですが、金と権力を振りかざして人を見下したり、優劣を付けたり、結構下品だったりもするわけです。
そんな場面に出会う度に、「こんちきしょう、今に見ていろ」という気持ちが高まります。
この「こんちくしょう、今に見ていろ」は理解できるし共感できるのだけど、
「今にこの俺にひざまづかせてやる」というのはねぇ・・・
しかしジュリアンの原動力はその格差や差別に対する怒りなんです。
土下座させたとしても、きっと気持ちは晴れ晴れとなんてしないと思うよ。
一瞬はざまぁみやがれと思うかも知んないけどね。
危険な恋愛で、最初は征服心しかないんだけど、レナール夫人の事もマチルドの事も最終的には本当に愛する女性となりますが、ついに願った大出世を目前に敵勢力からの罠にかかります。
ジュリアンの出世を妬むものが、レナール夫人に不倫を告発しろと脅し、侯爵家に手紙を書かせるのです。
出世は断たれ、レナール夫人に裏切られたと失意し、ジュリアンは彼女を射殺しようとして死罪が言い渡されます。
マチルドはありったけの金と権力を使ってジュリアンを救い出そうとします。
陪審員や裁判官を買収したり、そういうやり方ね。
しかし、彼は控訴はしない、刑を受け入れると心を決めるのでした。
そして、24歳の若さでこの世を去ります。
これって 5年間の話?!
まあ、幼少のころから格差と貧しさから逃れたいは根本にありましたが。
激動の5年間。
マンガだから特にそう感じるのかもしれませんが、この主人公最後は破滅しちゃいそうだなぁと序盤から感じる展開でした。ただ、死刑にこそなりましたが、惨めな最期ではありません。
余談ですが、スタンダールを検索していたら【スタンダールシンドローム】というワードが出てきました。
スタンダールがイタリアの旅先で天井画を見ていたら、その圧倒的な芸術に高揚感とか恍惚感に襲われて、めまいや動悸がして、しばし呆然となったんだって。
そういう状態になる旅行者がその後も多くいたから、【スタンダールシンドローム】って呼ばれるようになったとの事。
うーーむ、、なんか色々不明な点がありますな。
そんな状態になったことが、スタンダールの小説だか日記だかに残ってたんでしょうかね。
じゃなきゃ、そんな命名されなそう。
現在では、これって長いこと上を向くことによって首が圧迫されて血流が悪くなることによって起こる現象だったんじゃないかってことみたいです。
だから、美容院でシャンプーしてもらう時に、シャンプー台で首が苦しい状態になると、似たように症状が起きるようです。危険です。
ぜひ、美容院でスタンダールシンドロームにならないように気をつけましょう。
スタンダールシンドロームって名前だけ聞くと、彼の代表作(恋愛論)が浮かんで、脳内恋愛体質の人を指す言葉ならピッタリなのに、、、とちょっと思う。