こんにちは。音楽を活用して
幸せな園づくりをサポートするStepの山本です。
昔と大きく変わったなと感じる事の一つに
イヤフォンを付けて何かを聴きながら過ごしている人が増えた事があります。
電車の中や街、
運動中、スーパーの買い物中の人など
色んな状況で何かを聴きながら
他の事が出来るようになりました。
音楽や音声を聴く事が出来る
スマートフォンや
電子機器の発達も大きな要因かもしれません。
好きな音楽を聴いて
モチベーションを上げたり
ストレスを解消したり・・・。
あるいは隙間時間を活用して
資格試験の勉強をしていらっしゃるのかもしれません。
イヤフォンで聴くと
自分の周りで聴こえる音を遮断して
自分が不要な音に邪魔されるストレスも無く
自分に必要な音だけを手中にして聴ける状態になります。
人間は環境に対応するので
ぼんやりしていても欲しい音だけを聴く事を続けていると
聴覚と脳の機能も低下しそうです....。
聴覚は情報収集器官の一つとして脳と連動し
鳴っている音をぼんやり聴き流すのではなく
意識をする事で聴こえる音が大きく変わってきますよね・・・?
例えば横であなたの友人が一生懸命話しているのに
他の事を考えてぼんやりしていると
音声は聴こえていたのに内容が全く理解出来ず
「あ、ごめん!聴いてなかった!」
という事もありますよね。
私がピアノのレッスンで子ども達に話す分かり易い例は
ファミリーレストランでのBGMです。
入店して直ぐは外との環境が変わり
静かなBGMが流れているので
何となく「音楽が流れているな~」と感じます。
ところがメニューを見て注文を考え始めた以降は
BGMがほとんど聴こえなくなってくる・・・という話です。
BGMの音量は一定で変わる事はありません。
でもメニューを見ながら
色んな事をイメージしたり
注文後は一緒にいる家族と色んな話をしたり
またはゲームをしたりしていると
変わらず流れているのにBGMは認識出来なくなります。
この例を話すとレッスンでも子ども達が
意識次第で聴こえる音が変わってくる事
を理解してくれます。
園では園児が静かにすべき時に静かにして
黙ってお話しを聴く
↓
次にその音声を基に考え、判断し
「話の内容を理解する」
↓
次に「自分で考えて行動する」
という事は出来ているでしょうか・・・?
ついつい終わらせなければいけない事に追われて
先生が目に見える事だけで考え
クラス全体で行動開始!
という時になって
主旨が理解出来ず行動出来なかった子に対し
「先生のお話、聴いてなかったでしょ!」
と頭ごなしに注意する事が無いでしょうか・・・?
もうこの時点で
注意された子ども達は
「聴いていなかった事」より
先生の感情
つまり
「先生が怒っている!」
という事を情報として受けるので
その後、色々と注意しても
「音声」
としては聴こえるかもしれませんが
指導の主旨は子どもの中には入って行きません。
色んな書籍にも掲載してありますが
「聴く力」
「集中力」
を育てるために効果的な事として
無音の状態で過ごす事
が良いと言われています。
保育中、子ども達を音楽で促すために
「この音が鳴ったら〇〇をする」
と習慣づけてある園も多く
「この曲がなったら目を閉じて静かにする」
という習慣づけてある園も多いと思います。
しかし、この時もスキルや音色はさて置き
先生の演奏するピアノの音が流れています。
そうではなく
全くの「無音」の状態を作り
1~2分でもいいので我慢し
じっと座っている時間を作ると
「聴覚が研ぎ澄まされる」
「頭の中を切り替え心を落ち着ける」
「集中力の向上」
などの効果があるのです。
大人も瞑想が良いと言われていますが、
似たような効果があるのです。
習慣化するまでは先生の労力も必要ですが
導入時に子どもなりに
イメージが出来るような話をして
上手く習慣化出来るといいですね。
例えば
クラス全体をショッピッングモールに例え
一人を一つの店舗として話し
「さっきまで忙しかったからお店屋さんも休憩しましょう。
お客さんが来ないようにお店のシャッターを閉めましょう」
といったような言葉掛けをすると
お店 = 耳
お客さん = 音
と、子ども達もイメージし易いかもしれません。
もし、静かにしない子がいたら
「あれ あれ〜?
まだお店を開けている人がいるから
そこからお客さんが入ってきてしまう。
どうしよう・・・」
と困った様子で話すと自分一人ではなく
クラス全体で協力して静かにする事を
再認識してくれる事でしょう。
そして、また行動を開始する時は
「お店屋さん 開店しますよ~!」
と元気よく声掛けをすると
モチベーションもアップして
メリハリがつき
リフレッシュ出来ると思います。
今は自宅でも街でもコンビニでも・・・
どこでも音楽が絶え間なく流れ
自宅でもTVにゲームと
無音で静かに
心を落ち着ける時間を持つ事が難しい時代。
だからこそ、
その時間を意識的に作るしかないのです。
私達大人も人という生き物として
「五感」を使い
退化しないようにしたいですね。
昨日のブログに書いた
アメリカの小学校の先生の取り組みもそうですが
形にするまでは時間もかかり
先生の労力や忍耐力も不可欠です。
心折れそうになる事もあるかもしれません。
でも保育の中で
こういったほんの1~2分の短い時間を
積み重ねていくと
後々、子ども達の大きな力になります。
まだやった事が無い先生は
取り組んでみてはいかがでしょうか・・・?
最後までお読みいただきありがとうございました。
明日もきっといい日になりますように
【補足】
あえて今回は
「聞く」ではなく「聴く」で表現しました。
あしからず
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