こんにちは。
音楽を活用して子どもと園を育てるStepの山本です。
このところ風は冷たいながらお天気だと暖かい日差しに春の兆しを感じ
何だか嬉しくなります。
さてこれまで子どもの気持ちと
先生方や保護者が心に留めておきたい事をお伝えしていました。
「わくわく」
「キラキラ」
この気持ちのままいろんな事を楽しみながら出来ると理想的ですよね。
例えば私が園で行っていた年中さん約80人の音楽指導の時間。
他のクラスのお友達と合同で場所は教室を出て時々しか来ない広いプレイルーム。
始まる前から
わくわく
ドキドキ
開放的な気持ちでいっぱい。
みんなニコニコ笑顔でプレイルームにやって来ます。
授業が始まると、やはり静かにお話しを聞けなかったり
ちょっと冗談を言ったりして周りの子を笑わせようとする子が出ます。
状況によって先生方が
「静かにしなさい」
「お話を聞かないなら、〇〇くんは向こうに立っていなさい!」
「もう〇〇ちゃんはピアニカ弾かなくていい!」
と注意される事もあります。
先生としては
「授業のけじめをつけたい」
「話を聞いている他の園児の迷惑になる」
「ふざけている」
「やる気が無い」
これらの事を改善しようと指導されているかと思います。
確かに注意された園児は楽器を取り上げられたり
壁際に立たされたりと行動を「抑制」される為
その場は動きが止まり、学年全体としては授業が進みます。
でもその停止した身体ながら、きっとその子は心の中は
また違う楽しい事を考えたりしているかもしれません。
例えばリトミック活動で変化する拍子に合わせて自由に歩き回ったり
みんなで鍵盤ハーモニカを吹いたりして「おしまい〜」と言っても、
80人の年長さんが一斉に止める訳がありません。
小学生だって出来ないでしょう。いつまでも音を出す子もいます。
だって楽しいから(笑)
こんな時、その子ども達のわくわくをいかに指導者の方に向けるか・・・?
子ども達が自発的に指導者の方を見たくなるか・・・?
指導者が言っている事を真似したくなるか・・・?
そう出来るかどうかが指導者(先生)の腕の見せ所なのです。
これがStepの考える保育を行い管理するスキルではない
「指導のスキル」の一つなのです。
これも以前お話しした
イソップ童話の「北風と太陽」と同じですよね・・・。
脳の仕組みから言っても
先生に注意されないようにするために子ども達が言われた事をやっても
単純に楽しくなければ感情を記憶する脳の偏桃体は
「嫌い」と判断します。
大人も好きな事は努力をしなくても覚えますが
脳は「嫌い」と思うと
なかなか覚える事が出来ない仕組みになっているのです。
逆に心から
「楽しい!」
「おもしろい!」
と感じると、先生の想像を超えた事まで出来るようになる事は日常茶飯事です。
例えば子ども達に自由に歩く事や鍵盤ハーモニカを吹く事を止めて欲しい時、
私はピアニカで和音を押さえてファンファーレ風に
「パンパカパーン」
(この言葉でイメージして下さいね(笑))
と吹きます。
するとほとんどの子ども達は笑って
「あはは、パンパカパーンだって~」
と笑いながら活動を止めます。口マネする子もいます。
もちろんそれでも止めない子はいるので
「あれれ、何だか音が聞こえるよ・・・」
と近づいていくと恥ずかしくなって
自発的に「音を出す事を止めたい」
と思い、さっと止めてしまいます。
活動をする時も、注意する時も
「楽しく」が一番なのです。
楽しいと
脳内ではドーパミンが分泌され
目標に向かって意欲的に取り組もうともします。
園生活で「けじめ」をつける事はとても大切です。
でも、声高にけじめをつけさせようとしても子どもは理解出来ませんから
先生もヒートアップしてしまう・・・という逆効果になりかねません。
家を建てる時も
料理をする時も
完成のイメージだけでは完成しません。
そこまでの過程があってこその完成ですよね。
「楽しい」は決してふざける事ではないのです。
教育的な意図から創意工夫し
子ども達と笑いながら共に成長していきたいですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
明日もきっといい日になりますように
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