~明石の君の巻~
源氏の君は、朧月夜との不倫事件で(これについては朧月夜の巻で詳しくお伝えします!)須磨という都から離れた土地で一年近く過ごし、先の見えない生活を送っていました。
そんな中、源氏は夢に現れた亡き父の言葉通り、須磨から明石の地に場所をかえました。そこで源氏が出逢った運命の女性、明石の君について葉月さやがお届けいたします!!
明石の君は「我が家から国母が出る」という神からのお告げを聞いた父のもとで幼い頃から都の女性にも劣らない教育を受けていました。
美貌とは言えないのですががすらっと背が高く上品で聡明。そして筝の琴の名手でもありました。
身分が低いことを卑下していながらも、プライドが高く、なかなか源氏になびかないことが源氏の恋心に火をつけてしまいました。はじめは頑なだった明石の君も結局源氏のアプローチに負け、二人は愛しあうようになりました。(当時、源氏には紫の上という愛すべき妻がいたのですが・・「本気の浮気」ということでしょうか。。。)
そして間もなくして明石の君の懐妊が明らかになりました。それと同時に源氏は京に帰る許しを得て、風のように明石の君のもとを離れていきました。
あまりに早すぎた別れに苦しみが絶えなかった明石の君はこのまま源氏の「一時の女」で終わってしまうのでしょうか?
・・・いえいえ、明石の君は強運の持ち主でした!
生まれてきた子は女の子。まさに明石の君の父が聞いたお告げと
「あなたのお子様のひとりは皇后になります。」
という源氏の夢占いと、ぴったりあったのです。
それを知った源氏はすぐさま明石の君と姫を京に呼びよせました。
しかし源氏は身分の低い明石の君の娘では皇后になれないかもしれないと思い、姫を明石の君から離し、紫の上に育てさせました。
これは子供のいない紫の上に気をつかったともいわれていますが、明石の君にはあまりにひどい仕打ちでした。それでも明石の君は文句も言わず、自分の身も明かさず娘の幸せだけを陰で願っていました。
そして年月は過ぎ、紫の上のもとで美しく育った明石の姫君は帝の寵愛を受け、帝の皇子を産み、お告げと夢占い通り、国母になったのです!
と同時に、明石の姫君は側で仕えていた素性を明かさない明石の君が実の母だと言うことを知り、本当の親子の対面が叶ったのでした。
源氏が後年、六条院という豪邸を建てるのですが 他の身分の高い妻達同様に、明石の君は冬の御殿に迎えられ 源氏に生涯大切にされました。
六条院には他にも春夏秋という御殿があるように、源氏物語にでてくる女性達の名前の多くが花や色などで季節をイメージさせてくれます。
そんななかで、「明石」という無季の名前を紫式部によってつけられた明石の君。
それは華やかな花達のトゲに刺さらないよう、また儚く枯れることないよう、木となり長く生き続ける術を知った賢い女性の生き方を紫式部が描きたかったのだと思います。
いかがでしたでしょうか?明石の君の巻。
まだまだ個性溢れる女性がこれからも登場しますし、源氏の世界には欠かせない話も盛りだくさんなのでこれからもどうぞお見逃しなく!!
葉月さや
源氏の君は、朧月夜との不倫事件で(これについては朧月夜の巻で詳しくお伝えします!)須磨という都から離れた土地で一年近く過ごし、先の見えない生活を送っていました。
そんな中、源氏は夢に現れた亡き父の言葉通り、須磨から明石の地に場所をかえました。そこで源氏が出逢った運命の女性、明石の君について葉月さやがお届けいたします!!
明石の君は「我が家から国母が出る」という神からのお告げを聞いた父のもとで幼い頃から都の女性にも劣らない教育を受けていました。
美貌とは言えないのですががすらっと背が高く上品で聡明。そして筝の琴の名手でもありました。
身分が低いことを卑下していながらも、プライドが高く、なかなか源氏になびかないことが源氏の恋心に火をつけてしまいました。はじめは頑なだった明石の君も結局源氏のアプローチに負け、二人は愛しあうようになりました。(当時、源氏には紫の上という愛すべき妻がいたのですが・・「本気の浮気」ということでしょうか。。。)
そして間もなくして明石の君の懐妊が明らかになりました。それと同時に源氏は京に帰る許しを得て、風のように明石の君のもとを離れていきました。
あまりに早すぎた別れに苦しみが絶えなかった明石の君はこのまま源氏の「一時の女」で終わってしまうのでしょうか?
・・・いえいえ、明石の君は強運の持ち主でした!
生まれてきた子は女の子。まさに明石の君の父が聞いたお告げと
「あなたのお子様のひとりは皇后になります。」
という源氏の夢占いと、ぴったりあったのです。
それを知った源氏はすぐさま明石の君と姫を京に呼びよせました。
しかし源氏は身分の低い明石の君の娘では皇后になれないかもしれないと思い、姫を明石の君から離し、紫の上に育てさせました。
これは子供のいない紫の上に気をつかったともいわれていますが、明石の君にはあまりにひどい仕打ちでした。それでも明石の君は文句も言わず、自分の身も明かさず娘の幸せだけを陰で願っていました。
そして年月は過ぎ、紫の上のもとで美しく育った明石の姫君は帝の寵愛を受け、帝の皇子を産み、お告げと夢占い通り、国母になったのです!
と同時に、明石の姫君は側で仕えていた素性を明かさない明石の君が実の母だと言うことを知り、本当の親子の対面が叶ったのでした。
源氏が後年、六条院という豪邸を建てるのですが 他の身分の高い妻達同様に、明石の君は冬の御殿に迎えられ 源氏に生涯大切にされました。
六条院には他にも春夏秋という御殿があるように、源氏物語にでてくる女性達の名前の多くが花や色などで季節をイメージさせてくれます。
そんななかで、「明石」という無季の名前を紫式部によってつけられた明石の君。
それは華やかな花達のトゲに刺さらないよう、また儚く枯れることないよう、木となり長く生き続ける術を知った賢い女性の生き方を紫式部が描きたかったのだと思います。
いかがでしたでしょうか?明石の君の巻。
まだまだ個性溢れる女性がこれからも登場しますし、源氏の世界には欠かせない話も盛りだくさんなのでこれからもどうぞお見逃しなく!!
葉月さや