~朧月夜の巻~


今回は朧月夜について、神農友貴がお届け致します。
朧月夜といえば、魅力的な女性.*゜¨゜・*:☆゜・*:.゜゜・

まずは、簡単なあらすじをご紹介致します。


【簡単なあらすじ】

源氏ニ十歳の春、宮中の南殿で花の宴が催され後、
酔心地の源氏は想い人である藤壺に会いたくて藤壺の御殿に近づきます。
しかし、戸口は閉まっていて会えそうもありませんでした。

そこへ「朧月夜に似るものぞなき」と口ずさみながら美しい女性がやって来て、
源氏はその袖を捉えて引寄せ室内に抱き入れてしまいます。
この美しい女性が朧月夜、これが光源氏と朧月夜との出会いでした。


この朧月夜と光源氏が恋愛関係になることにあたって、問題が2つありました。
1つは、右大臣の六の君、つまり右大臣の6番目の娘で、
光源氏のことを毛嫌いしている弘徽殿の大后の妹だということ。
そしてもう1つは、その弘徽殿腹の東宮(後の朱雀帝)の女御として入内する予定だったことです。

政敵の娘、しかも帝のお妃になる予定の女、朧月夜との恋愛は周りに祝福される恋愛関係とは程遠い...。

しかし、政敵同士の恋愛、まさしくロミオとジュリエットのような2人は、
危険な恋愛に燃え、ついにはその関係がばれてしまいます。
その罰として、朧月夜は格を下げての尚侍としての入内を余儀なくされ、
光源氏は自ら京を去り、須磨へ行くことになりました。


源氏が須磨で謹慎中の間も手紙のやりとりは続き、
源氏が京に帰ってからも関係は続きますが、
朧月夜は、朱雀帝の深い寵愛に、やがて源氏との関係を終えるのでした。


と、ここまでが簡単なあらすじです。
かなりドラマチックですよね!!



それでは、次に朧月夜の性格についてご紹介致します。

朱雀帝の寵愛を受けるようになってからも、
源氏との危険な恋を続け、宮中や右大臣邸で逢瀬を重ね、
更に、会えない日が続くと、自分から頼りをよこして催促したり、
困難を冒して、源氏と恋文のやりとりをする。
朧月夜は、かなり積極的で情熱的な女性だったようです。


ちなみに、朧月夜のモデルは、「和泉式部」だと言われています。
「あらざらむこの世の外(ほか)の思ひ出に 今ひとたびの逢ふこともがな」
という歌を詠んだ女性歌人は、奔放な恋愛に生きた情熱的な人だったそうです。為尊親王と敦道親王という兄弟を愛したところ、
(=朧月夜は「源氏」と「朱雀帝」の両方を愛します)
など情熱的な恋愛ぶりも朧月夜と似ています。


そして、原文にも「艶になまねきたり」という描写があったり、
派手かやで、若々しい様子を表す「今めかし」が使われいたり、
朝顔の斎院、紫の上と並んで、当代の三筆とも言われていたり、
華やかで官能的な女性でもあったようです。


そしてそして更に、芯の強い女性でもありました。
朱雀帝の深い愛情を感じ、騒ぎ(密会露見による、源氏の須磨流謫)を起こしたことを後悔し、
源氏からの手紙に返事をしなかったり、
源氏に予告せず、念願の出家を遂げたり、
源氏が出家した朧月夜に送った「私のために祈ってくれますね」という文に対し、
「大勢の中の1人してなら勿論祈りましょう」と辛辣な返事をしていたり。

気持ち良い程の引き際は、決めたら流されない朧月夜の芯の強さを感じます。


朧月夜は、平安時代の女性としては非常に珍しいタイプで、
その積極性や色気の溢れる女らしさは、他の女性には見られません。
魅力的で妖艶でもあり可愛くもあり、源氏や朱雀帝が朧月夜に心底執着したことにも、何だか納得です。


さぁ、今回の「Woman~源氏物語より~」では、一体どんな風に描かれているのか。
どうぞお楽しみにしていて下さい!!


神農友貴でした☆