キラキラ輝くアメリカ人女性起業家 アナスタシア・レング(Hatch CEO)その2 | Pepmalibuのブログ

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こんにちは(^-^)このブログでは、アメリカ人と日本人の2人の博士号/MBAホルダーが、世界や日本で起こっている出来事に対する多元的な見方、アメリカの最新ビジネスや最先端の情報テクノロジーなどを紹介しています。どうぞよろしくお願いします!!



アナスタシア・レング Anastasia Leng Hatch CEO
2015年1月28日 インタビュー実施
工芸品専門オンラインモール:Hatch


「ハッチ」(Hatch)の共同創業者。同社はカスタムメイドの日用デザイン用品(デザイナー商品、アクセサリー、キッチングッズなど)を専門的に取り扱うネット上のマーケットプレイスを運営する。「ハッチ」を創業する前には、5年以上、グーグルに勤務する。グーグルの本社(マウンテンビュー)で、プロダクト・マーケティング・マネージャーとして活躍。Google Voice、Google Chrome、Google Walletなどの技術開発の初期段階にも関与。ペンシルベニア大学卒。大学では心理学、社会学、フランス語の3つを専攻。アメリカに移って来る前に、ロシア、ベトナム、バーレーン、ハンガリー、フランスなどにも居住。

<続き>

11 「Eコマースにおけるオーダーメイド時代の到来」というあなたのスピーチで、投資家からの垂直的統合のプレッシャーに効果的に対抗したと述べています。その理由は、御社のサイトでの購入の90%が異なった商品カテゴリーを対象にしているというものでした。あなたは明らかにデータに依拠した意思決定をしています。ビッグデータ時代において、あなたは、必要な情報の内容と情報量をどのように決定しますか。そうした情報をどのように集め、分析し、最終的に意思決定のプロセスに反映させますか。


正直に言えば、そうした課題と格闘し続けている。明らかに、私は、多くのデータを検討する。しかし、前述したとおり、企業としての当社の本来の姿を知り、ブランドの柱を決定することが、2015年に入った今、当社にとってとても重要な課題だ。このように、当社は、自社の信じる価値を反映しないような会社になるために、データを最適化するようなリスクは冒さない。そのようなリスクを犯せば、企業はビジョンや哲学を反映しないように感じられるかもしれない。この場合、バランスを維持することは、繊細で扱いにくい。顧客が、その企業(あるいは商品)は自分たちが求めているものではないと示唆するとき、自分が考えているアイデアを反映する企業を作り上げる意味はない。そのように起業はできない。しかし、自分の信念や価値観を完全に捨て去れば、最終的に万能サイズの商品を作ることになってしまう。そうした商品は、どんな顧客にとっても高い価値をもつものではない。そして、顧客が自分の個性を見出せるものでもなく、感情的に親近感を感じるものでもないし、顧客がその商品の熱烈な信奉者になるものでもない。私は、あなたの質問に対して正確な回答ができない。なぜなら、依然として、正しいバランスが何かを追求している段階だからだ。

12 ご存知かもしれませんが、伝統的な日本の工芸品や文化に対して、世界的に人気が高まっている。こうした傾向を加速化し、経済を刺激するために、日本政府は「クール・ジャパン」プロジェクトを実施している。御社のサイトは、日本の芸術家が自分たちの商品を販売するのに理想的なマーケットプレイスになるように思っています。日本のデザイナーや製作者は、ハッチに登録できますか。英語で取引をすることは、必要な条件ですか?どのように、日本の個人や企業がハッチに登録したらいいでしょうか。

私は、日本に2度訪れたことがある。ハッチのような企業は大きな潜在力をもっていると感じている。日本の工芸は長い歴史をもっており、さらに、日本には才能のある工芸家がたくさんいる。現在のところ、英語で取引できる日本人なら、ハッチに登録可能だ。当社は、日本人に登録を歓迎する。しかし、日本語などの外国語のサービスはないので、工芸家が英語ができない場合、それが障害になる。当社が外国のマーケットに参入するばあい、ロシア語を離さない日本人が、日本語を離さないロシア人に商品を販売することが可能になるようなシステムを開発する必要があるだろう。当社のビジネスがある段階に達して余裕ができたら、そうした問題にも取り組みたい。

13 ハッチ(HATCH)という商標で、「エイト」という会社が運営するサイトが日本に存在するが、御社と関係があるのですか。日本での御社の展開の状況はどのようなものですか。日本のマーケットに関して、中期的に(3年から5年)どのように評価していますか。長期的な評価はどうですか。ここ数年で、アジアの他の地域でビジネスを展開することを考えていますか。

当社は、その会社とは関係がない。そのウェッブサイトがどこからきているのかよく分からない。当社は、日本や他の国に、関連会社や子会社をもっていない。


14 女性であることがあなたのビジネスにどのような影響を与えていると思いますか。有利な点は何ですか。また、不利な点は何ですか。


それは、まさに論争を招く質問だ。ある意味で、有利、不利な点は、両刃の剣である。男性の創業者よりも女性の創業者のほうが少ない。最新の統計によれば、女性の創業者はベンチャー資金に依拠した創業者全体の3%にすぎないと思う。一方で、私はマイノリティー(社会的少数者)である。ベンチャー企業のなかには、私のような人間や他の女性を探し出すために努力をする企業もある。

ベンチャーキャピタルに対する私の理解から、ビジネスというものは高いレベルで、パターン認識に依存しているという示唆を得ている。もう少し具体的に説明しよう。企業は、過去の成功において観察できた特徴に注意を払う。そして、そうした特徴により将来的な機会の可能性をふるいにかけている。そのような成功の特徴のいくつかは人間に関係しており、投資家は、ある特徴をもった創業者を探している。過去の創業者のほとんどが男性だったことにより、女性の起業家が出現すると、こうしたパターン認識によるアプローチは機能不全に陥ってしまう。

いくつかの論文は、次のことを示唆している。投資家は、男性的な特性をもっている女性の起業家に資金を提供する傾向がある。私はそうした発見は部分的に正しいと思っている。それに対して不平をいうつもりもない。当社の場合、ここまで成長できてとても幸運だと思う。ときどき、仕事部屋に私一人しか女性がいないのは不利だと感じることがある。ときに、私は、男性だったら絶対に聞かれないような質問を受ける場合もある。したがって、ベンチャーキャピタルとのミーティングの際には、女性らしい服装は着ない。たとえばスカートやドレスは着用しない。そして、メガネをかける。なぜなら、私の行動(外見を含む)のすべてがビジネス的な洞察力やプロフェッショナル性を伝えるからだ。私がこうした行動をとるのは、部分的ではあるが、友人である女性起業家から聞いた経験に基づいている。

それから、ニューヨークの女性創業者のコミュニティーの親密な文化はプラスの点としてあげられる。事業をスタートし成長させている素晴らしい女性たちと話しをする機会をもてる。良い経験と悪い警官に対して、私たちはオープンな態度をとる傾向があり、お互いを助け合うネットワークを構築している。ハッチのチームでは、私は3人の女性と3人の男性と一緒に働いている。

15 ご存知かもしれませんが、リスク回避的な文化をもつアジア、特に日本では、起業は相対的に少ないです。起業を考えている人、特に、女性に対して、どのような助言をしますか。

これは難しい質問だ。というのは、ある国の文化的な環境に抵抗することは難しいからだ。強力な支援ネットワークにアクセスしやすくなれば、状況を少しばかり改善されるかもしれない。私の助言は、志をもって起業を考えている人は、自分が希望することを実践している人々を探し出し、そうした人たちに「糊」のようにくっついているというものだ。たとえば、無給のインターンシップをやる。実際、私は高校や大学のときにそういうインターンシップをたくさんやった。そして、そうした起業家につきまとう。たとえ、あなたが高校2年生になる前の夏を、こうした起業家にコーヒーを出すことにすべて費やしたとしてもだ。あなたがそうなりたいと思う起業家の近くにいることで、どれだけのことを学び、吸収できるか、その経験、知識に驚くことになるだろう。

起業活動をあまり評価しない諸国では、起業家活動を奨励し賞賛するようなサブカルチャーに参加することが大きな違いを生む。それは、実際に起業するか、しないかにかかわらずである。さらに、あなたがリスクをとるなら、あなたは自分の計画に固執する可能性が高くなる。なぜなら、あなた自身が、起業という同じ旅で奮闘している人々に囲まれることになるからだ。

16 御社のウェッブサイトで、あなたは「ノマド」(遊牧民)と表現されています。そこには、あなたがくらした国の名前があります。そうした国での経験を紹介してください。どの国が一番楽しかったですか。日本を訪問したことはありますか。もしそうなら、日本の印象を教えてください。

私は、モスクワで、ジャーナリストの娘として生まれた。6歳のときにベトナムに移った。9歳のときに、ブダペスト(ハンガリー)に行き、11歳のときにバーレーンに移り住んだ。13歳のとき、最終的に、米国に来た。こうした諸国での生活は、常に家族と一緒だったため、それが不思議なことだとは思わなかった。しかし、成長するにつれて、放浪癖が強くなり、2年ぐらいごとに異なった場所で生活したい願望をもっていることに気づいた。ロシアを離れたのち、アメリカに来るまで、私は、フランス語を主要言語にする学校に通った。

高校と大学のとき、いろいろなプログラムを利用して、一人でフランスに行った。最初に3ヶ月、のちに8ヶ月、パリに住んで、勉強した。そのときは、とても楽しかった。このとき以来、2年ごとにどこかに移動することに比べて、同じ場所にずっといることは自分にとっては難しいように思えた。

より最近のことであるが、私はロンドンに住んだ。5年ほどロンドンに居住していた。最初は、この都市を好きになれなかった。最初の3ヶ月は悲惨だった。気候はいつも寒く、どんよりとしていて、雨が多かった。食べ物も美味しくなかった。その後数ヶ月の時間が素早く経過するにつれて、私はロンドンと英国文化に恋をしてしまった。より広いヨーロッパも含め、英国の文化は、どのような仕事をしているからではなく、どのような人間だからという視点から人を評価するのだと思う。そうした文化は、人間に力を与えてくれる。ディナーパーティーに行くと、仕事は何をしているなどは質問されない。なぜなら、参加者は、自分たちが楽しいと思う話題について話しかけてくるにすぎない。アメリカでは、その人がどこで働き、どのような仕事をしているのかが、社会的なステータスの面で最も重要視される。パリでもロンドンと同じようなことを感じた。フランス人も、仕事というひとつの側面よりは、その人の個人全体について、より関心をもつ。


私は、日本には、仕事で1度、旅行で1度行った。旅行のときは、東京、京都、そして多くの観光地を訪問した。日本では、静かでリラックスした時間を味わえた。東京では、最初、ライトの多さ、音、人々の動きに圧倒された。ニューヨークのタイムズ・スクエアにいるように感じた。しかし、日本はずっと平和な感じがした。地方の田舎は美しかった。寺社も訪れた。日本への旅行を楽しみ、幸せな気持ちで帰国したのを覚えている。そのとき、日本語を話せばよかったと後悔している。次に日本に行くときは、少し日本語を話そうと思う。

17 アメリカのビジネス・スクール(経営大学院)のプログラムは、急速に変化しているインターネット社会の現在のニーズを効果的に捉えていると思いますか?

グーグルや現在のハッチでの経験にもかかわらず、いつも無力感を感じているが、あなたの質問は私の個人的な経験に関係している。というのは、ハッチを起業するまえに、ビジネス・スクールへ入学することを考えたからだ。最終的には、起業の経験が、私版のMBA(経営学修士)の教育をもたらしてくれるという結論にいたった。あるとき、ビジネス・スクールの友人の一人に、「私は、社員を一人解雇したばかりだ」と話をしたことを覚えている。彼女は、私に対して「ビジネス・スクールの授業で、社員を解雇することを練習した」と告げた。二人の状況の偶然の一致が興味深い。なぜなら、私がリアルな実践的な状況で身につけていたスキルを彼女は、ビジネス・スクールの授業で練習していたからだ。

テクノロジー産業は、MBAは実践的な経験よりも価値が低いとみなす数少ない産業だと、私は考える。ハッチよりも、とても早いスピードで成長している新規企業のなかには、起業家的な経験を重ねた人材を採用しようとする企業が存在する。そうした企業は、実際に自分で事業を起こした人間を好む。シリコン・バレーのコミュニティーのなかでは、企業を立ち上げたという実績が栄誉だとみなされるのだ。









ノーベル経済学賞受賞者などアメリカの超一流経済・経営学者は今の日本をどのように見ているのか?





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このブログは、ジョーが執筆し、皆様にお届け致します。ジョーことジョセフ・ガブリエラ は、2000年に来日したアメリカ人。格闘技ファンなら誰でも知てる、K-1ファイターのアンディー・フグ氏にそっくり!1989年米国ワートン・スクールを卒業。その後ペパーダイン大学を皮切りに、イリノイ大学、南フリダ大学を卒業。MBAを含め2つの修士号と博士号を取得しました。日米合弁IT関連企業、スイス系証券会社、米系銀行、そして日系外食企業など幅広い業界の勤務を通して様々なビジネス経験を積みました。趣味は、水泳、読書(村上春樹氏の大ファン!)、ピアノ、そして様々な国の言葉を勉強する事です。ちなみに、2年前から新たに中国語勉強に励んでいます!この記事についてのご質問、感想、また意見を歓迎します。また、共同研究者である杉本有造氏とともにコンサルティング業務も行っていますので、お気軽にご相談ください。

また、次のような「アメリカ・ビジネスの最前線を切る!!」をテーマにしたブログも公開しているので、あわせてご一読いただければ幸いです。

「アメリカ・ビジネスの最前線を切る!!」の目的
皆さんのビジネスリーダーとしての知識欲をさらに刺激するために、毎月、2回の頻度で、「アメリカ・ビジネスの最前線」を主な対象にして、「アメリカ・ビジネスでいま何が起こっているのか」「どのような最新技術に注目が集まっているのか」「日本や日本製品はアメリカでどのように評価されているのか」といった点について、アメリカ人としての見解を掲載します。日本のメディアでは、日本人による単一的(あるいは一方的)な見解が主張される傾向が強いように思えます。このブログ記事では、「世界には多様な考えがある」ということを日本の読者に具体的なテーマで知ってもらうことを意識しています。日本や日本人に対する外国人の見解、考え方を知ることで、読者自身の世界観を広げ、最終的にはビジネスチャンスにつなげてもらえればと願っています。とりあげてもらいたい「旬の話題」や建設的なご提案など、お気軽に著者までご連絡いただければ幸いです。

ジョセフ・ガブリエラ  博士/MBA
東洋大学
gabriella@toyo.jp
jjapan1802@yahoo.co.jp

「世界のどこでも働ける日本人になろう」

「アメリカ・ビジネスの最前線を切る!」

「Venture Into Japan」

杉本 有造  博士/MBA
IES全米大学連盟・東京センター
(The Institute for the International Education of Students, Tokyo)講師
gpmalibu@yahoo.co.jp

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