7つの習慣はひとつ足りない ジョセフ・ガブリエラ | Pepmalibuのブログ

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七つの習慣は一つ足りない

「七つの習慣」を読んだことがありますか。出版された1989年以来、相当有名になったので、読んだことがなくても、内容を少しは訊いたことがあるかもしれません。題名が示唆するように、テーマは、多くの成功した人の習慣についてです。著者のスティーブン・R・コヴィー博士によれば、まず、「私的成功」を達成しなくてはいけません。それが最初の三つの習慣である「主体性を発揮する」、「目的を持って始める」、と「重要事項を優先する」ことの目的です。その次の三つ、すなわち、「ウィン–ウィンを考える」、「理解してから、理解される」、と「相乗効果を発揮する」というのは、人間関係の土台となる相互依存の管理に関するものです。七つ目の「刃を研ぐ」という習慣は、個人的な「更新・再生」をもたらします。

これらの習慣をみると、いくつかの考えが浮かびます。一つ目が、「僕はまだまだだ。完全に取得した習慣もあるが、部分的にしか習得していないものもある。全然習得できていないものもある。」この最後の結論が2つ目の質問に繋がります。「何をしたら、素晴らしい習慣を作ることができるのだろうか」調べた結果、これがかなり難しいことが分かりました。一つの実験では、毎日運動するような習慣を身につけるには最低18日間かかりました。最大の場合、必要時間は254日間でした。習慣になるためには、時間が必要なのです。

新しい習慣を習得しにくい理由がいくつかあります。その一つは、新しい習慣を形成するために、大脳基底核内に、新規回路を形成する必要があり、これには時間がかかります。また、新しい習慣を試すと、最初は不快に感じます。練習すればするほど、その不快感が和らいでいきますが、初期段階で、その不快感が練習を妨げる原因となります。

もう一つの理由は悪い癖です。一般的に、新しくて、良い習慣を見つけるために、悪い習慣をやめなくてはいけません。上記の例を続けると、毎日運動をするために、通常より1時間早めに起きなければならないだけでなく、運動するためのエネルギーを作り出す必要があります。仕事後、飲みに行くことが多いせいで、就寝時間が遅くなるならば、まず、その習慣を辞めなくてはなりません。これも簡単に取り組めるわけではありません。いったい、どうやってできるのでしょうか。

ここで、僕の大学時代の心理学の授業で習った方法を説明しましょう。教授の個人的な経験にもとづいているので、信頼できると思います。この教授の場合、二つの習慣を辞めようと思ったそうです。その一つが、5キロ痩せるために、甘いものや間食を辞めることでした。もうひとつがタバコを完全に辞めることでした。この教授は同時に二つの悪い習慣を変えるのは不可能だと思い、より難しいと判断した後者から取り掛かりました。そこで、タバコの欲求を刺激するものを洗い出し、それらを避けました。例えば、タバコの匂いを嗅いだら、吸いたくなると分かり、喫煙者が集まる場所を避けました。同様に、タバコを楽しむときに食べる食事や飲み物を検討しました。飲み物でいうと、ホット・チョコレートが唯一の安全な飲み物だと分かりました(ただし、そのため、タバコを辞めたときには、余分に5キロ太ってしまったそうです)。ストレスを感じるときにもタバコを吸いたくてたまらないようになると分かったので、ストレスを引き起こす人間や状況も避けました。タバコの欲求を刺激するものを避けることに加え、他の習慣に変えるように努力しました。口が寂しく感じたときに、ガムを噛みました。どうしてもストレスを感じる状態が逃げられないときには、深呼吸をしました。

タバコを辞めたら、ホット・チョコレート以外のものも飲めるようになり、喫煙者の中にいることも苦にならなくなりました。たまにしか、タバコを吸いたい欲求が戻りませんでした。それは、脳内の神経回路が何かの要素で再活性化されたからです。そうした場合、この教授は居場所を変えるだけで、欲求をこらえられたそうです。

タバコが健康を壊すように、企業において、悪い習慣はリーダーのキャリアやその企業自体を破壊する可能性があります。英語で、「Derailment Factors」と呼ばれるこの要素を直訳すれば、「脱線要素」となります。数年前に、大阪で脱線した電車が、多くの人の命を奪い、建物にも損害を与えたように、脱線要素となる習慣を治さないリーダーは、企業全体に損害を与えてしまう恐れがあります。一つ例を挙げると、数値ではなく、自分の直感で、大きな買収を決定する社長は、会社を倒産に至らしめるかもしれません。この関連で、リスクを取りすぎる習慣を持ったNick Leesonを思い出します。彼の違法投機取引により、1995年に、イギリスの最古の投資銀行、Barings銀行が倒産しました。

さて、成功するためには、リーダーはコヴィーの七つの習慣にくわえ、もう一つ不可欠な習慣を身につけなければなりません。それが、悪い習慣を辞める習慣です。締めくくりに、前述した教授に教えてもらった方法を紹介したいと思います。


1. 悪い習慣がいくつかある場合は、優先順位を付けて上で、一番深刻なものから始めます。深刻さが一緒の場合は、一番、辞めやすい習慣から始めます。

2. 悪い習慣を引き起こす刺激を避ける。避けられない場合は、その刺激に対抗する習慣、作戦を工夫します。

3. 毎日、日記に、成功や失敗を書き留める。

4. 最低、週一回、日記を読み、反省する。

5. 完全に習慣を辞める圧力を増やすために、他人に、目指している目標に伝え、これにより、アカウンタビリティー (説明責任)を生み出す。

6. 習慣を辞めた後でも、たまに、欲求が蘇るので、それに備えて、対策を考えておきます。





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以下の記事は習慣を作ることがもたらす神経作用の変化を説明します。科学文献の読解の練習として、読んだ後、下にある質問に答えて、理解度を確認してください。

John M. Grohol. “MIT explains why bad habits are hard to break.”

Habitual activity–smoking, eating fatty foods, gambling–changes neural activity patterns in a specific region of the brain when habits are formed. These neural patterns created by habit can be changed or altered. But when a stimulus from the old days returns, the dormant pattern can reassert itself, according to a new study from the Massachusetts Institute of Technology, putting an individual in a neural state akin to being on autopilot.

“It is as though, somehow, the brain retains a memory of the habit context, and this pattern can be triggered if the right habit cues come back,” Ann Graybiel, the Walter A. Rosenblith Professor of Neuroscience in MIT’s Department of Brain and Cognitive Sciences, said in a prepared statement. “This situation is familiar to anyone who is trying to lose weight or to control a well-engrained habit. Just the sight of a piece of chocolate can reset all those good intentions,” Graybiel said.

The neural patterns get established in the basal ganglia, a brain region critical to habits, addiction and procedural learning. In Graybiel’s experiments, rats learned via specific cues that there was chocolate at one end of a T-shaped maze. While the rats were still learning, their basal ganglia neurons chattered throughout the maze run. That’s because in the early stages, the brain seeks out and soaks in information that could prove important.

As the rats learned to focus in on guiding cues (in the experiment, an audible tone that guided them toward the chocolate), the behavior of the neurons changed. They fired intensely at the beginning and the end, but remained relatively quiet while the rats scurried through the maze.

1. What part of the brain is critical to the development of habits and procedural learning?

2. Why can the mere sight of a piece of chocolate tempt someone who has broken bad eating habits to begin craving sweet foods again?

3. In Graybiel’s experiment, when did neurons fire intensely? When were they relatively quiet? What do these results suggest?



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このブログは、ジョーが執筆し、皆様にお届け致します。ジョーことジョセフ・ガブリエラは、2000年に来日したアメリカ人。格闘技ファンなら誰でも知てる、K-1ファイターのアンディー・フグ氏にそっくり!

1989年米国ペンシルベニア大学ウォートン・スクールを卒業。その後ペパーダイン大学を皮切りに、イリノイ大学、南フリダ大学を卒業。MBAを含め2つの修士号と博士号を取得しました。日米合弁IT関連企業、スイス系証券会社、米系銀行、そして日系外食企業など幅広い業界の勤務を通して様々なビジネス経験を積みました。趣味は、水泳、読書(村上春樹氏の大ファン!)、ピアノ、そして様々な国の言葉を勉強する事です。ちなみに、2年前から新たに中国語勉強に励んでいます!この記事についてのご質問、感想、また意見を歓迎します。また、共同研究者である杉本有造氏とともにコンサルティング業務も行っていますので、お気軽にご相談ください。


ジョセフ・ガブリエラ  博士/MBA
東洋大学
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杉本 有造  博士/MBA
IES全米大学連盟・東京センター
(The Institute for the International Education of Students, Tokyo)講師
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