アマゾン、コアコンピタンス、人材 (ジョセフ・ガブリエラ) | Pepmalibuのブログ

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人材の能力は企業戦略の中心

親友のトムは、毎週、2,3回10キロ以上走っているそうです。彼と最初知り合った20年以上前から、定期的に走っていたので、本質的にスポーツマンだと思っていました。だから、英語でいう「スポーツ心臓」に発展したのかもしれません。彼は、50代なのに、血圧は健康な若者よりも低いし、心拍数も年齢標準よりも少ないそうです。心臓がとても強くなった結果、普通の人間よりも、彼の心臓は効率的に血液を送り出しているのだと思います。

先日、トムとコーヒーを楽しんでいたときに、彼が20代の頃、高血圧に苦しんでいたことを打ち明けてくれました。驚きました。実は、それこそが、運動を始めたきっかけだったそうです。また、運動を始めた20数年前と比べても、今は健康に自信があるそうです。それもびっくりです。

一般的に、年を重ねると、高齢化の影響で、身体が自然に衰え始めます。そんな訳で、定期的に運動しても、健康を維持できるにも拘わらず、若年のときのように若返ることはありえません。逆に私も含め、普通の人間なら運動を頑張っていると思っても、衰え続けてしまうこともあります。その意味では、僕は十分頑張っていないかもしれませんが (笑)。

運動に努力を注いだことで、トムが健康の弱みを埋め、強みに変えたと言えます。同じように、努力で、人間の能力の弱みや欠如を埋めることができるなら、それは好ましいことです。もしかして、それを信じて、多くの米国の企業では業績評価制度を採用しているのかもしれません。年一、二回の頻度で上司がそれぞれの部下と面談を行い、業績を評価します。達成した目標に対して褒め、新たな目標を設定するのに加えて、その目標の達成を阻害する弱みを埋めるための計画も立てています。

この制度自体は、一般に「いいもの」だと信じられています。しかし、直観に反して、研究によると、努力や練習を重ねても、弱みを完全に乗り越えることは不可能だそうです。いくら頑張っても、最良の場合は、僅かな改善しか生まれません。最悪の場合は、何も改善はないだけではなく、本人自体が失望してしまうこともあります。言い換えれば、人間の能力の弱みを埋める投資は見返りが低いものだということです。したがって、見返りを最大化したいならば、人の強みを最大限に伸ばすために、投資をすべきです。 

ですから、部下の弱みが仕事を妨げている場合は、その他の部下や同僚によって、足りない部分を補ってもらうことが望ましいといえます。もちろん、そもそも仕事に要求される全ての能力を持ち、仕事の邪魔になる弱みがない人材を採用するのが最善策だといえますが。こうしたこともあり、米国の企業の面接で、応募者は自分の強みや弱みについて訊かれることが多いのだと思います。

先日、僕が大学を卒業したばかりの1989年に初めて紹介されたcore competence (コア・コンピタンス = 会社の戦略を左右する中核の強み)にまた遭遇し、ひとつの閃きがありました。長い間、それを考えていない結果かもしれませんが、その理論を新たな目で見ることができました。具体的に言えば、人の強みとの関連が明確になりました。

よく言われますが、会社は、ヒト、モノ、カネから成り立っています。これらの三つの資源が全て不可欠なのですが、そのなかでも、ヒトがもっとも重要だと思います。いくら資金が溢れていても、どれだけ生産用の機械や素材が豊富でも、人間がいなければ何も始まりません。つまり、企業経営では、人間が基盤となるのです。

それぞれの人間は強みや弱みがあるので、企業のコア・コンピタンスはその全体によって決まります。そのうえ、自分の会社の人材は、競合他社の従業員の強みと弱みが違うので、競争分析やベンチ・マーキングを行っても、それが戦略策定の基盤になるわけではありません。かわりに、自社分析を行い、本格的にコア・コンピタンスを見極めた上、どのようにそれを最大限に伸ばし、競合他社がすぐに真似をすることができない戦略を作成できるかを考えるべきです。そうすれば、市場の優位的な位置づけを確保できます。

コア・コンピタンスの発想で成功している企業のひとつの例を挙げましょう。オンライン書籍最大企業のAmazon社です。インターネット技術と絶妙な物流制度を融合して、容易にオンラインで本が購入できるサービスを導入しました。そこから、同じコア・コンピタンスを活かし、他の商品を取り扱い、ビジネスを拡大しました。そのうえ、このコア・コンピタンスを活かし、モバイル機器である電子書籍Kindleも導入しました。

心臓が身体の生命の源泉になっているように、Amazon社ではこうしたコア・コンピタンスが企業戦略の生命の源泉になっており、市場の優位を占めています。

自社戦略の生命の源泉は、人材にあります。コア・コンピタンスとしての人材をもとに、どのようにビジネスの拡大をすればいいのか、みなさんも検討することをお勧めします。



英語塾

自社事業の核となるノウハウや強みを表すコア・コンピタンスという概念を導入した本来の記事が以下にリンクされます。今も、この考え方は十分に通用しますので、一読してみてください。


C.K. Prahalad and Gary Hamel. “The Core Competence of the Corporation.” Harvard Business Review, May-June 1989.



“What are your strengths and weaknesses?” とは米国企業の面接で、よく訊かれる質問です。以下は模範的な回答例です。それを読んだうえで、自分の強みや弱みの説明を作成し、練習しましょう。


What are your strengths and weaknesses?
When you answer questions about your strengths and weaknesses, always begin by describing your strengths—ideally two to three of them. After you have described your strengths, discuss one weakness, no more. When you do so, try to describe how you have addressed this weakness or overcome it.


Example
One of my strengths is my ability to work efficiently. Though my colleagues often work late into the night, I rarely work past 6 pm, and I am as productive as they are. This is because I know how to organize myself and manage my time. Yet another personal strength is my calm personality. Even in times of crisis, I do not panic. Rather, I carefully think about the situation and consider options for resolving it. Regarding weaknesses, I am sometimes impatient with people who come to me with their personal problems because they interrupt my work. Recently, I have been working on being more patient with colleagues when they have problems while still maintaining a high level of efficiency on the job. One way I do this is by offering to have coffee before or after work to discuss colleagues’ personal problems.

<推薦図書>
本ブログの著者ジョセフ・ガブリエラと杉本有造は、両者ともにMBAの保有者であり、英語と日本語の両方でエレベーターピッチを実施する豊富な経験を有しています。くわえて、両者の経験を活かして、ビジネスパーソンに対して、仕事の現場で直ちに活用できるエレベーターピッチの技法について指導しています。エレベータースピーチのテクニックを習得したいと思われている方に、二人の共著『エレベーター・スピーチ入門~アメリカビジネスで成功するためのプレゼンテーション&自己イメージ作りの技法』を読まれることを強くお勧めします。

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このブログは、ジョーが執筆し、皆様にお届け致します。ジョーことジョセフ・ガブリエラは、2000年に来日したアメリカ人。格闘技ファンなら誰でも知てる、K-1ファイターのアンディー・フグ氏にそっくり!

1989年米国ペンシルベニア大学ウォートン・スクールを卒業。その後ペパーダイン大学を皮切りに、イリノイ大学、南フリダ大学を卒業。MBAを含め2つの修士号と博士号を取得しました。日米合弁IT関連企業、スイス系証券会社、米系銀行、そして日系外食企業など幅広い業界の勤務を通して様々なビジネス経験を積みました。趣味は、水泳、読書(村上春樹氏の大ファン!)、ピアノ、そして様々な国の言葉を勉強する事です。ちなみに、2年前から新たに中国語勉強に励んでいます!この記事についてのご質問、感想、また意見を歓迎します。また、共同研究者である杉本有造氏とともにコンサルティング業務も行っていますので、お気軽にご相談ください。


ジョセフ・ガブリエラ  博士/MBA
東洋大学
gabriella@toyo.jp
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「世界のどこでも働ける日本人になろう」

「アメリカ・ビジネスの最前線を切る!」

「Venture Into Japan」

杉本 有造  博士/MBA
IES全米大学連盟・東京センター
(The Institute for the International Education of Students, Tokyo)講師
gpmalibu@yahoo.co.jp

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