氷混じりの冷たい風が、広い氷原を駆けてゆく。
その氷原に、夜空を見上げる1人の少女が立っていた。
少女の目は、氷のような淡い水色で、ガラス玉のように輝いている。
だが、その目は、どこか悲しげに見える。
その少女は、昔、この付近で雪崩に巻き込まれ、亡くなった人達のなかの1人だった。
9歳という若さでこの世を去った少女は、色々な思いを残し、死んでいった。
様々な悲しみが混ざった思いが、少女の中にあるのだ。
「もっと生きていたかった・・・」
少女の目から、涙がこぼれた。
その涙は大地を潤し、光に変わってゆく。
少女の体が、まばゆい光に包まれる。
徐々に少女の体が、消えてゆく。
「お父さん、お母さん、いつも私は空から見守ってるからね・・・」
そう言うと、少女の体は、完全に消えた。
-少女がいなくなった、次の日-
少女が亡くなった氷原から、少し離れた場所に、村がある。
その村は、少女が住んでいた村だった。
その村には少女のお父さん、お母さんが今も住んでいる。
だが、悲しいことに、この村に住んでいるお父さん達と少女の友達以外は、全員、少女についての記憶が消されているのだ。
「みんな、私のこと忘れちゃってるんだ・・・ 仕方ないよね・・・ 私はもう、この世の人間じゃないもの・・・」
空から見ていた少女は、そういった。
消えた記憶は、もう、戻らない・・・
・・・少女の最後の願いは、雪となり、やがて、溶けていった。
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はぁ~っ・・・
書くのに結構、時間がかかっちゃいました・・・
疲れた-っ(> o <)
あΣ
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