京薬剤師の薬の話:その他の抗精神病薬 クロカプラミン塩酸塩水和物(クロフェクトン) | 紫野瀨﨑家

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承認年

1973年

 

開発の経緯

クロカプラミン塩酸塩水和物は,当社研究所において開発された三環イミノジベンジル系抗精神病薬で,カルピプラミン塩酸塩水和物(販売名:デフェクトン,2013 年発売中止)のイミノジベンジル核3 位にCl 基を導入した化合物である。

錠剤(10,25mg)及び顆粒剤は1973 年1 月に承認を取得し,1974 年2 月に発売を開始した。

その後,1986 年2 月には50mg 錠の承認を取得,1987 年10 月に発売を開始した。また,錠剤(10,25mg)は2001 年2 月に,顆粒剤は2002 年2 月に販売名変更に伴う再承認を受け,それぞれ2001 年7 月及び2002 年7 月に変更銘柄名で薬価収載された。

 

製品の治療学的特性・製剤学的特性

(1)クロカプラミン塩酸塩水和物は抗精神病薬の抗精神病作用と相関が高いといわれている中枢性抗ドパミン作用を有する。

(2)本剤は,臨床的には統合失調症の抑うつ気分,無為,自閉,感情鈍麻等に対して気分高揚,発動性促進的に働き,疎通性の改善,接触性の拡大をもたらすとともに,幻覚や妄想等の異常体験に対しても効果を示す。

(3)総症例数4,565 例中1,174 例(25.72%)1,854 件の副作用が報告されている。(承認時~1977 年1 月までの調査及び文献調査等に基づき集計)

重大な副作用として,Syndrome malin(悪性症候群),無顆粒球症,白血球減少,遅発性ジスキネジア,麻痺性イレウス,抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH),肺塞栓症,深部静脈血栓症があらわれることがある。また,類似化合物のブチロフェノン系化合物(ハロペリドール)で心室頻拍(Torsades de Pointes を含む)が,フェノチアジン系化合物及びブチロフェノン系化合物の長期又は大量連用により眼障害があらわれることが報告されている。


販売名

和 名

クロフェクトン錠10mg、クロフェクトン錠25mg、クロフェクトン錠50mg、クロフェクトン顆粒10%


洋 名

CLOFEKTON TABLETS 10mg,CLOFEKTON TABLETS 25mg,CLOFEKTON TABLETS 50mg,CLOFEKTON GRANULES 10%


名称の由来

カルピプラミン塩酸塩水和物(販売名:デフェクトン,2013 年発売中止)にクロル(Cl)基がついたことに由来する。

一般名

和 名(命名法)

クロカプラミン塩酸塩水和物(JAN)


洋 名(命名法)

Clocapramine Hydrochloride Hydrate(JAN)、Clocapramine(INN)


ステム
イミプラミン系物質(飽和三環系化合物):- pramine



​​​​抜粋:クロフェクトン・インタビューフォーム​​