映画・アントニオ猪木をさがしての感想。 | ONCE IN A LIFETIME

ONCE IN A LIFETIME

フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

公開日はまだ旅行中だったので、帰国してすぐの休日に早速近場のTOHOシネマズで鑑賞した。正直、題材的にもかなり客層が絞られる事は否めないので、あまり人は多くはないだろうなと思っていたら案の定、客は自分を含めて5人ほどであった。

 

内容的には、多くの人が思ったように前半のブラジルでの撮影はおお、と思わせたものの、その後は微妙なドラマパートなどもあり、インタビューの人選もあまり猪木とは深く関わってはいないだろう、と言う人たちも多かったので、正直満足度は高いとは言えなかった。

 

なので、ブルース・リードキュメンタリーの最高傑作と言われる「ブルース・リーの神話」のように、生後からの生い立ちを綴っていく王道的な作りでも良かったのではないか、と思うぐらいであるが、猪木の生い立ちなどはこれまで数えきれないほどの文献で語られてきたし、当然ゴーストとは言えアントニオ猪木自伝なる本も出版されている。なので、そういう意味からしても単純にドキュメンタリーや名勝負集では済まされなかった事情も良くわかるというものだ。

 

個人的に猪木のドキュメンタリーと言えば、引退試合での特番が良く出来ていた印象が深い。レスラーのインタビューこそなかったものの、猪木信者として名高い石橋貴明やロンブーの田村亮らの人選は納得のいくものだったし、そしてダイジェストながら猪木の名勝負集が流れたのも良かった。

 

まあそんな感じで、私的にもこの映画は大満足とまではいかなかったのであるが、それでも少年時代のドラマパートなどは、プロレスに夢中になりたての少年時代を思い起こさせてくれたりして、それなりに感動したものである。ただ、題材が例の蔵前暴動が起きた第2回のIWGPだったので、それなら第1回目をモチーフとした方が良かったのではないかとも思う。あとの2つは正直微妙だったが、例のベイダー戦における、大技をこれでもかと喰らいながらカウント2で返していく猪木の姿に心打たれた人は多かった事は間違いない。