アーケードスティックのお話・その49 Qanba Obsidian2 | ONCE IN A LIFETIME

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フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

遂に発売されたQanba Obsidian2。おおよそ5年ぶりの新作となった訳だが、さすがに日本円で5万円近いアケコンだけあって、初代よりも遥かに進化している。

 

 

 

 

 

Optionボタンが他と同じサイズで分かりにくかったり、またかつてのHORIのようにタッチパッドが側面にあるなどの欠点があった初代機であるが、当然この2では改善されている。また、ケーブルもVictrixのように側面に巻き付けられるようになっているなどの改良点も見られる。しかし、側面カバーの開け閉めはネジ式と言うアナログだし、また近年の高級モデルとしては珍しい非開閉式でもあるため、その辺りに関してはライバル機よりも見劣りせざるを得ないと言っていいのかも知れない。

 

しかし、アケコンに最も重要なのは、天板の剛性と静穏性である。この点で未だ頂点に立つのが、すでに発売から6年も経つ初代Pantheraであり、次点で旧MadcatzのTE2+、つまりとっくの昔に廃盤となっているモデルのみなのである。対照的に、この点が弱すぎるのが日本のHORIである。アフターサービスの良さや、不良品率の低さなどはさすがに日本メーカーであるのだが、何故かHORIの弱みのひとつである天板の薄さにはフォーカスされる事なく、この辺りが有名プロゲーマーらがHORIを避けている理由のひとつでもある気がする。

 

初代オブシディアンはレバー周りの剛性は良かったものの、上記の通りボタン配置やレイアウトに多少の難があり、またボタン部分の静穏性も高いとは言えなかった。しかし、本体重量やデザイン、そして見た目の高級感などは素晴らしかったのと、また入手性の良さとそしてプロゲーマーの使用率の高さも相まって、ここ数年では最高のアケコンのひとつであったかと思う。

 

そんな初代を遥かに凌駕しているのが、この2である。改良点はすでに述べた通りであるが、繰り返すがアケコンに最も重要なのは天板の剛性と静穏性なのである。そして、何といってもこの点が2は実に素晴らしく、特にボタンの静穏性はあのPantheraをも上回っているほどであり、一瞬静穏ボタンと勘違いしてしまうほどである。

 

 

 

レバーはさすがに旧Pantheraの方が上だとは思うが、それでも初代機よりも静穏性は優れており、多少耳障りなスイッチ音が見事なまでにかき消されている。少しでもアケコンを使用した事のある人であれば、触った瞬間にその凄さが分かるはずである。

 

ガワのサイズも、そして天板の角度とボタン下の空間も、実に人間工学を研究しているなと言う感じで物凄く使いやすい。ゲーミングデスクに置いた時の高さも完璧だ。旧Pantheraはこの部分でどうしても厚みがあったので、その点だけはやり辛いと言わざるを得なかったのに対し、このObsidian2では全くそんな事もない。

 

はっきり言って、これまでのアケコンを全て過去にしてしまうと言っても過言ではないほどの出来である。アケコン選びで迷っている人も多いかも知れないが、そんな人でもこれを買ってしまえば解決する。確かに、PS5のデジタルエディションとほぼ同価格と考えると高いと言わざるを得ないが、正直今となっては買って正解、むしろ早く買うべきだったとさえ思っている。絶対にお勧めだ。