アーケードゲームを愛す・その5 | ONCE IN A LIFETIME

ONCE IN A LIFETIME

フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

1989年の年末、ある有名シリーズの続編がリリースされた。言うまでもなく、「グラディウスIII」の事である。グラディウスシリーズは家庭用でも知名度が高かっただけあり、この続編もファミマガのコーナーで大きく紹介された。この頃はファミ通は買うのを止めていたのだが、当然そちらでも扱われた事であろう。私はファミコン版の初代グラディウスしかプレイした事がなかったのであるが、さすがにその美麗なグラフィックに興味を抱いたものである。

 

そして、1989年の12月と言えば、もうひとつの超大作がリリースされた月でもある。もちろん、あの「ファイナルファイト」である。こちらは特段注目はしていなかったので、紹介されたのを知ったのは後にSFC版が発表された時に見返したからであるが、やはりSFC版を見てからではそのディティールの違いに圧倒されたものである。

 

そして同時期、小田急線相武台前駅から徒歩5分の元コンビニの跡地に、「クイーンエイト」と言うゲーセンが開店した。座間市でこれほどまでに本格的なゲームセンターが出来たのは、歴史上でもおそらく初めてではなかったかと思う。これにより、私の学校の連中もこぞってゲーセンに行くようになり、ゲーセン人口が一気に増加していったのだ。

 

ただ、私はその流れには乗らなかった。言うまでもないが、ゲーセンのイメージが良くなかったからである。なので、当然グラIIIもやる事はなかったのだが、その筐体自体は海老名の当時ニチイのゲームコーナーにて見る事は出来た。当然、難しい事だけはファミマガで聞いていたので、プレイする事はなかったのだけれども。

 

そして、この1990年と言う年は、ちょうどストII発売の1年前であるのだが、私が思う限り最後にどのジャンルのゲームも満遍なく発売されていた年ではなかったかと思う。まだシューティングがゲーセンの王道だったので、数自体は一番だったかも知れないが、その後の格ゲー一辺倒だった時代と比べると、ありとあらゆるジャンルのゲームが発売されていたものである。当然、まだゲーセンには行ってはいかなかったのだが、この時代のゲームは翌年もしばらく残っていたため、今なお思い入れのあるゲームが多いのだ。

 

そして12月、アーケードでもほぼ同時だったグラIIIとファイナルファイトが、そのちょうど1年後に揃ってSFCに移植された。どちらも、特に前者はアーケードとは程遠い移植となってしまったが、このおかげによりオリジナルのアーケード版にも再スポットが当たる。特にファミ通は詳しく紹介し、別冊の冊子まで付録されていたほどであったのだが、まさにこの冊子が私をアーケードの世界に導くきっかけとなったのだった。