初代プレイステーションを愛す・その6 | ONCE IN A LIFETIME

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フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

そのように、本体とアケコン、そしてもちろんメモリーカードもブックオフにて新品で購入した。しかし、ネットのない時代、ゲーム機はソフトがなければただの箱である。という訳で、グラディウスに先駆けて「極上パロディウスだ!」と「ナイトストライカー」の2本も一緒に購入した。もちろん中古である。

 

当時は今のように豪華なゲーム環境など揃える金銭的余裕もなかったので、普通のブラウン管テレビにコンポジットで接続した。実は初代PSのそれはあまり発色が良くなく、SFCやPCEのそれより劣り、辛うじてMDよりかは上かな、というもので、テレビの性能もあるとは言えそれにはがっかりしたものだ。

 

そして、初めてプレイしたゲームは極パロである。基本の画面解像度がアーケード版と同等という事もあり、ひとめで旧世代機との違いは一目瞭然だった。そして、アーケード版そのままのBGMとSE。それまでメガCDのゲームにおいてそれを実現した事はあったものの、さすがにPSは画面もほぼそのままと言う事もあって次元が違う出来だった。

 

ただ、事前に情報を得ていたとは言え、やはり一部背景の簡略化は気になったものだ。単なる手抜きかと思ったが、のちにPSの2D性能の限界を知ってそれは単純に当時では不可能であったのかも知れない。また、2面や3面で処理落ちがかなりキツくかかるのも気にはなった。アーケード版ではここまでの処理落ちはなかったので、単にこれもPSの性能限界であったのかも知れない。

 

ナイトストライカーに至っては、開発元がソースを得る事が出来ず見様見真似での移植となったらしいので、見た目は似ていても中身はコピー品並、しかもトンネル面のシャッター配置がまるでアーケード版とは異なるものでもあったから、こちらはトンデモ移植だった。それでも、旧世代機では不可能だったアーケード版と同等のグラフィックは見事だった。

 

そして待望のグラディウスである。当時はまだ金曜日発売が基本だったのだが、周辺でPSそのものを扱っているお店はなかったため、地元のダイクマまで買いにいったものである。反面、SSは最寄りのお店で売っていたので、若干SSを買えば良かったかなとも思ったのだが、まあそれだけ流通に違いがあったという事である。

 

肝心の中身だが、もちろん当時としては世界一アーケード版に近い移植版だった。スコアとゲージの位置が若干ずれているが、これは当時の家庭用ブラウン管テレビを考慮したものであり、まあ仕方ない面とも言える。しかし理想を言えばそれもオプションで調整出来るようにしてほしかったものだ。音源は全てPS独自のCD-XA音源からなので、非常にハイクオリティだ。

 

PCを購入するまで、このPS音源というのはしばらく謎であったのだが、ビットレートが若干CD音源より落ちるぐらいで、内蔵音源よりかは高音質というものだった。そして、もちろんグラディウスのオリジナル音源はモノラルであったのだが、こちらは全てステレオ処理されているためさらに高音質だった。残念なのはサウンドテストがついていなかった事であるが、当時は諸々の事情によりグラディウスのサントラCDが全て廃盤だったため、大人の事情からだろう。

 

もちろん、グラディウスI・IIがPSというハードの性能を限界まで追及したゲームではない事は言うまでもない。しかし、夢に過ぎなかったアーケードの完全移植に、我々は心底酔い知ったものである。