アーケードスティックのお話・その28 リアルアーケードPro.2 SA(RAP2SA) | ONCE IN A LIFETIME

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フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

現在の本格アケコンの先鞭をつけたのは、言うまでもなくHORIが2004年に発売したPS用のリアルアーケードPROである。初代はボタンとその配置自体はHORIオリジナルであったものの、それまでほとんどおもちゃレベルだったアケコンと比べて、そのガワの完成度は素晴らしく、剛性感そして高級感のいずれも以前のものとはレベルが違っていた。

 

その後、パーツを完全三和電子とセイミツ、ボタン配置をブラスト筐体のものにしたスペシャル版がHORIのサイト限定で発売、それ以降も2012年まで三和バージョンが継続して発売されていったという。当時はeスポーツという言葉など存在せず、また持ち運びや膝置きのプレイも考慮されていなかった事から、それらに関して特化した機能は一切採用されていない。その上、メンテナンス性もほぼ考慮されておらず、そのガワの作りの猥雑さもあり天板を開けるだけでもかなり大変である。

 

最後期のRAPSA2に関しては、天板のネジが六角なので比較的楽であるが、それ以前のは天板と底面両方外さなければならず、しかも天板はナットで止める形なので、それなりの工具がなければかなり大変だ。なので、改造などには全く向いてはいないものの、それだけ内部の空洞が狭く、天板も金属でしっかりしているので、剛性感はのちのビュウリックスタイプのものと比べるとかなり高い。よってメンテナンス性を犠牲にした代わりに、操作感覚は最高だ。

 

 

 

そして、PS2まではもちろん専用端子であり、そしてまだブラウン管が主流だった時代だった事もあって、遅延などは皆無。というか、正直当時はそんな話題など出るよしもなかったぐらい遅延とは無縁だった。そしてこの形状はそのままPS3用へと受け継がれるが、あいにく当時のUSB接続は遅延が酷く、またアケコンを必要とするゲーム自体少なかった事から、PS2時代と比べると遥かに需要は少なく、私も買う事はなかった。

 

で、何故この話題かと言うと、遂に先日その最終作となるRAPSA2を購入出来たからである。そこそこプレミア価格もついていたこの製品であるが、あいにくながらかなり格安で購入する事が出来た。すでに当時購入したセイミツバージョンはまだ所有しているものの、やはり今となっては三和の方がやりやすい。もちろん、持ち運びや膝置きには考慮されていないのでその辺りは少々不便さを感じてしまうものの、ガワの剛性感からくるレバーとボタンのフィーリングは、正直現行のRAP系と比べると遥かにこちらの方が上である。それこそ2万円以上の高級機にひけをとらないレベルの作りだ。

 

 

 

現在、それなりのアケコンの相場は概ね15000円以上するので、これがわずか10000円で購入できたと思うとまさに驚きである。正直、今の感覚で言うと、この作りでわずか10000円は正直安すぎるだろう、という感じなので、そう思うと当時のユーザーはかなりのお買い得をしていたものだと思い知らされる。