身体作りとナルシズム | ONCE IN A LIFETIME

ONCE IN A LIFETIME

フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

最近朝倉兄弟、特に海の方にハマっているのだけれども、その中で計量直前の水抜きの動画が公開されていた。素人がやる必要は全くないが、それでも健康診断の前などは食べ物はもちろん、水もほぼNGなので、つまりは誰でも年に1度ぐらいは多少近いような経験はしているはずである。

 

夜21時以降、12時間ほど我慢すれば良いだけの話、さらに睡眠も挟む訳だから格闘家の水抜きに比べたら大した事はないものの、それでも素人には飲まず食わずというのは毎回キツイものである。しかし、それでも体重に対する効果はかなり大きく、最近の体重は73キロ前後を行ったり来たりしている感じであるにも関わらず、診断での計量は71キロほどだった。

 

なので、素人でさえも水抜きだけで1キロは落とせるという事なのであるが、それでも3キロとなるとそれはもう常軌を逸した数字である。それをこなしてしまう格闘家の精神力は凄いと思うし、かつそんな彼らでも非常にキツイと弱音を吐いてしまうほどなのだから、どれほどの辛さなのかはそれはもう想像もつかないレベルである。

 

しかし、やっている最中は確かに辛くても、反面「俺はこれだけの事に耐えている」という自信と誇りを抱いている事も間違いはないと思う。これは私が30キロ以上ものダイエットをしていた最中に実感していた事であるが、要は「他人が出来ない事を俺は達成している」という、一種の男としてのナルシズムなるものが働いてくるせいである。

 

なので、周りの人は「よく出来るね」「よくリバウンドしないね」とか驚いていたが、自分自身はストイックな生活に耐えている自分に完全に酔っていたので、辛い所かむしろ楽しんでいたのが本音である。そして、これまでも触れてきたように、今では一般人としてはそれなりの筋トレも行っている。当然、それに伴って、再びある程度の食事制限も同時に行っているのであるが、もちろん辛いという事など一切ない。もちろん、それは他人が自らの欲望に赴くまま飲み食いしている最中、自分は耐えている、自分に勝っている、という自信、つまりは一種のナルシズムのおかげである。

 

要は、ダイエットでも筋トレでも、その感情が発生してしまえばもう勝ちという事である。しかし、前述のように世の中の大半の人はそうではなく、欲望の赴くままに生きている人たちの方が割合的には多いだろう。そして、世の中の肥満とされる連中たちはほぼ間違いなくそれに当てはまる。正直、私のようなストイックな人間にとっては、そんな連中を見る度に「何故痩せないのか」「恥ずかしくないのか」という感情がどうしても先走ってしまうので、見る度に不快な思いをしてしまうのだ。

 

もちろんそういう感情が芽生えないからこその体型維持であり、外野があれこれ言ったところで仕方がないのかも知れないが、それでも外見に気を配れない人間は正直苦手である。人間見た目だけではないのは間違いないが、それでも最初は誰しもが見た目から入る訳だし、やはりそれだけで判断されないような努力は必要だと思うのだ。