筋トレによるデメリットとは。 | ONCE IN A LIFETIME

ONCE IN A LIFETIME

フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

大人になったのび太が小学生の本人に「大した努力もしないである日突然偉い人になれると思う?」と話しかけた言葉があるのであるが、私はこの名言が大好きである。それはまさにその通りであり、何の努力もせずに翌日にいきなり物事を達成出来る訳がない。私のブログで散々触れた英語力などはまさにそうなのだが、それ以上にダイレクトに結果が生じるのはやはり身体作りである。身体作り以上にその言葉を直に表現しているものはないだろう。

 

基本、身体の細胞が入れ替わり、明らかに見た目の変化を生じさせるには最低でも3ヶ月のトレーニングが必要とされる。イコール、筋肉がある人間というのは、少なくともそれだけの期間同じことを継続出来る人間であると自ら証明しているという意味である。もちろん、同じ事を継続、と言っても寝ながらスマホでYouTubeを見続けるような事とは訳が違う。筋トレをするという事は、それなりに身体への痛みやダメージを生じさせるものである。それだけに、肉体改造に成功した達成感、そして周りからの尊敬の度合いというのは、それなりに痛みを得てきただけの価値があるというものなのである。

 

それだけ見ると、デメリットなど何もないかも知れない。せいぜい、プロテインにかかる費用が嵩む程度である。そのプロテインも、昔はザバスぐらいしかなく、またいちいちスポーツ専門店に出向く必要もあったのだが、今では格安で質の良いプロテインを簡単にAmazonで買う事が出来る。ストレスによる衝動買いなどと比べたら微々たる出費だろう。

 

しかし、それでもデメリットはある。これまで述べてきたように、身体作りというのは辛い事を数ヶ月以上、もしくは一生継続出来る「力」が必要となってくる。つまり、肉体改造を達成した人間というのはほぼ全て「その力」を備えているという事になる。それが大きな自信となって自分に返ってくるのは言うまでもないのであるが、当然世の中はそんな人間ばかりではない。イコール、自分らとは真逆な怠惰な人間に対して自然と嫌悪感が生まれてしまうものなのである。

 

かつて、新日本プロレスは橋本真也をエースに据え置いていた時代があった。本人も当然乗り気であったし、自ら「闘魂伝承」なるガウンを羽織っていたりもした。しかし、当時新日本の会長であったアントニオ猪木は、どことなく橋本に冷たい印象があり、実際にそんなような報道もなされていたりした。本当の理由は不明であるが、今であれば橋本を好かなかった理由も察しがつく。ルックス自体は悪くは無いので、やはりその体型に尽きるだろう。

 

言うまでもなく、猪木は若手の頃から練習の虫であり、新日本プロレスを設立した際には、まずは道場、と言う事で、自宅を潰して道場に仕立て上げたほどの男である。そして、歴代の付き人たちは「アントニオ猪木は24時間アントニオ猪木だ」と異口同音で語っているように、試合後にホテルの廊下でヒンズースクワットや、部屋でブリッジをしてしまうほど自身に対しても厳しかったほどである。それを証明するように、デビューから晩年、そして引退後ですらも、お腹が出た姿を一度も晒した事はないし、私も全く記憶にない。

 

アリ戦の映像などを見れば分かるが、若き日に「若い頃のルー・テーズ」に似ていると称されたように、生まれながらの足の長さなどもあるとは言え、日本人離れした非常に均整の取れた肉体をしている事が分かるだろう。「100キロ超えれば一人前のレスラー」として、脂肪をつけまくりだった他団体のレスラーたちとは訳が違う。そんな自分にストイックなアントニオ猪木だからこそ、自身の後継者たちにも怠惰は許されなかった。これは歴代の新日本のイケメンエース候補の系譜である、藤波、前田、高田、船木らの肉体を見れば一目瞭然である。

 

そんな猪木の性格を考えると、練習嫌い、暴飲暴食の橋本は好みでなかったのは容易に想像がつく。ただ、前田離脱後の新日本は、1人で団体を背負えるようなエース候補というのはいなかった。もちろん、その最右翼は凱旋帰国したばかりの武藤敬司であったのだが、アメリカでトップヒールまで登りつめ、アメリカンプロレスと文化を思いっきり満喫してきた武藤にとって、封建的な日本のプロレスは窮屈で仕方がなかった。また、まだ20代、そして性格的にも長州力のように団体を引っ張って、というものには向いておらず、そういう部分からも武藤1人のエース路線というのはなり得なかったのである。

 

そこで、最もプロレスラーらしい性格であり、「俺が俺が」という橋本真也がプッシュされ、当時のIWGPの防衛記録まで達成させたほどの扱いを受けたのだが、前述のように猪木から好かれず、また会社にもダイレクトに楯突く事も珍しくなく、その辺りで長州力らとの確執が絶えなかった。今なお語り継がれる、1999.1.4の小川戦などはその際たるものだろう。見ているファンからしても、新日本のエースと言えばイケメン、そして黒のショートタイツのみで客を魅了出来る肉体とスタイルの持ち主、というのがあったため、肥満体型でパンタロンの橋本には正直違和感を抱かずにはいられなかった。

 

そんな訳で、かなり厳しい意見となってしまうのだが、ストイックな人間はどうしてもデブに対して厳しい目で見てしまう傾向があるのである。しかし、彼ら彼女らの食事などを見ていると、それだけの体型をしている理由というのが一目瞭然なのだ。自分などは昔からチョコレートが大好きであり、特に昔発売していたポポロンのようなチョコシューなどには目がないのであるが、少しでも体重が増えているな、と思ったらすぐに間食をやめれる事が出来る。イコール、デブは欲望の赴くままに食事をし、我慢という事を知らないからそんな体型であるのだ。

 

人間、30を過ぎるといきなり代謝が落ちるので、それまでと同じ食事量でいると確実に太る。なので、20代でデブとされている人たちは、そこを過ぎたらどうなってしまうのか、想像をするだけでも恐ろしい。もちろん、他人の事など知った事ではないが、やはりストイックな人間にとっては見ているだけでも余計なストレスとなってしまうものだ。