現行、HORIのフラッグシップはもちろんファイティングエッジ刃であるが、確かにガチで対戦を行う時であればこれ一択と言っても過言ではないぐらいに良いモデルである事は間違いないとは思う。しかし、普段家で満遍なくゲームをプレイする事だけが目的であるのなら、ひとつ下の機種であるHayabusa Nが最もバランスが良いのではないかと思う。
2016年の12月にようやくPS4を買った私は、もちろんアケコンも同時に購入したのであるが、その当時は選択肢がHayabusa Vしか選択肢がなかったのでこれを購入する以外なかった。PS3やXbox360の時代は、HORIでも三和電子やセイミツパーツの採用が当たり前だったので、やはり価格は同等なのにパーツはHORI、と言うのは気にはなりはしたものの、その当時はゲーム自体から離れていたし、もう感覚がどうの、と言うほどでもなかったので、そのままデフォルトで使っていった。
しかし、ビュウリックスの雰囲気を再現したフォルムはともかく、PSボタンまでもが側面に位置されているその配置は大変使いづらく、一応天面にボタン表記はされているとは言えボタン押し間違いはしょっちゅう起こったものだったから、使っていて非常にストレスが溜まっていったものだった。しかし、他に選択肢となるとマッドキャッツぐらいしか当時はなく、もちろん格ゲーに特化した造りでさらに20000円以上はしたものだから、アケアカ中心の自分にとっては完全にオーバースペック、とても買う気になるような代物ではなかった。
そんな不満の声が聞こえ始めたのかHORI、わずかPS4購入から半年ちょいで前述のHayabusa Nをリリースする。私が実際に購入したのはつい最近の事ではあるが、ファイティングエッジを購入した後にも関わらずその満足感は非常に高く、自然とストV対戦時以外は完全にメインのアケコンとなっていった。そして元々ビュウリックス配置が好きではない私にとってV2017モデルの利点は皆無に等しく、よってこちらは対照的に無用の長物と化してしまった。
しかし、昔からアケコン大好きな自分は、色々な記事を読んでいった所、私がゲーマーであった当時はセイミツパーツが主流だった事を思い出した。つまり、アーケードアーカイブスや、ストリートファイターアニバーサリー、そしてカプコンベルトアクションコレクションなどのレトロゲーム復刻作は、セイミツでプレイしてこそナンボだ。しかし、手元にあるのは三和電子とHayabusaパーツしかない、じゃあこの余ったVを活用するためにこれにセイミツを内蔵しよう、と言う訳で遂にセイミツレバーとボタンをトップスの通販で注文していった。
注文したレバーはLS32-01-SCのSSベース。かつてセイミツはシャフトがむき出しであり、手入れをしないと錆びてしまうのが難点であったものの、近年は三和同様カバー付きも売られており、前述のSCがそれになる。RAPにつける場合はSSベースで一択、最初からぴったりハマる構造で設計されており、ネジ穴も2本留めながら用意されているので無改造で取り付け可能。用意するのはプラマイのドライバー1本ずつで大丈夫だが、かなり硬いので出来るだけ良いドライバーと、また万が一の事を考えてネジ穴復活剤もあったほうがいいかも知れない。
購入は通販のトップスから。途中駅まで定期があるので、秋葉原で買ったほうが早いかな、と思い久々に赴いたものの、最も有名なマックジャパンはカバー付きのがなく、千石電商は割高であり、その場で買っても送料込みのトップスの価格よりも高かったので、結局トップスで購入した。セイミツパーツは三和電子とは異なり大手のネットショップでは取り扱いがない事がほとんどなので、最も品揃えが良くかつリーズナブルなトップスしかほぼ選択肢はない感じだ。
先述の通り、これらパーツは全てVに取り付ける事を前提で考えていたものの、ノワール配置が好きな私はどうしてもレバーとボタンの距離、そしてビュウリックス配置のいずれも馴染めず、これに換装した所で宝の持ち腐れに終わるな、と思った私は最終的にNの換装を決断した。
そして本日無事到着、すぐに換装。換装手順は何も変わらず、レバーの交換も上記の通り。結果は…言うまでもなく最高。正直、換装前はひとつぐらいは無改造で保証ありのまま残しておきたい、と思ってはいたものの、実際に換装後を手に取ったらこれで大正解だったとしか言いようがなかった。今でこそ三和にシェアを奪われてしまったとは言え、それでもさすがにアーケードゲーム黎明期から20年以上もコンパネ市場を寡占してきたその実力は伊達ではなかった。Hayabusaも悪くはないな、と思いつつ使用してきたものの、実際に比較となるとやはりその実力の違いは一目瞭然だった。
三和レバーを使い始めて15年ほど経ちすっかり慣れた感はあるものの、それでもやはり1990年代のアーケード筐体のデフォであったセイミツの感覚は忘れられない。当時熱狂していた方々で今なおレトロゲームをプレイしている人たちは、是非Hayabusa Nとセイミツパーツを購入してみてください。きっと、あの時にさらに近い感覚で楽しめる事でしょう。