朝の大阪駅で。

山伏のような格好をした男性が

眉間にしわをよせて

指先を額にそえながら

タバコを吸っているのを見かけた。


編み笠をかたわらに置き、遠く見るように。

修行僧のひとは、

タバコを吸わないイメージだったので驚いた。


格好は山伏なのに

ひどく身近な

そして普通のヒトに見えた。


しばらく時間をおいて、また同じところを通りかかると。

今度は編み笠をかぶり、鐘を鳴らしながら読経。

その姿は、都会の真ん中でも、

やっぱり浮き世離れして見えた。