ずいぶん長い間、思い出にひたっていたようで。

気が付くと、僕は一人。

駐車場の前でたたずんでいた。


足元には伝説のパンツ。

そして彼女の置手紙。

おや?



「チョメ吉さんへ


 今日はありがとう。

 チョメ吉さんが来てくれて、とても嬉しかった。


 私、今日のことで自分の未熟さを知りました。

 このままではチョメ吉さんに愛される資格がありません。

 なので、私、留学しようと思います。

 留学して、資格をとって。

 資格は昇給査定のときにも有利だし。


 そうしたら、また

 堂々とチョメ吉さんと一緒にいられると思います。


 明日、8時ちょうどのあずさ2号で

 留学します。


 必ず、資格をとって

 チョメ吉さんにふさわしい女になって帰ります。


 今は止めないでください。


                       チョメ子」



しまった!

僕は急いで走り出し…

おっと、いかん。

パンツをはき忘れていた。


いそいそとパンツをはく僕を

駐車場の男が流し目で見ていた。



(6月中には最終話を書きたい

 と思いつつ  第十四夜につづく)