幻想世界の住人たちあれは中学生の頃だったろうか。 とある同級生が生え際を気にしていた。 おでこが広い。 もうすぐハゲるのではなかろうか。 と。 ある日の同級生は 生え際がきれいにそろっていた。 剃ると毛は太くなる というウワサに願いをこめたのだそうな。 産毛の部分がきれいになくなっていた。 …。 残念なことに、 彼の産毛が生えてくることは 二度となかった。 彼のおでこは剃った分だけ広がった。 かなしくて かなしくて とても やりきれない。