"You Make Me Feel Brand New" The Stylistics | 誰にも騙されるな!Don't Take Any Shit From Anybody・・・

"You Make Me Feel Brand New" The Stylistics

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この曲は1974年のヒット曲。

僕はまだその頃は小学校5年生だったというわけか。
でも、初めてこの曲を聞いたのはラジオからでもレコードからでもない。

今、東京ドームがある場所は昔は競輪場。

やがて競輪場はなくなりその建物をそのまま使って
ジャンボプールという施設になっていた。
トラック1周分の広大な「流れるプール」が作られ、
夏になればその周辺に住む、僕達子供たちの憩いの場になっていた。

僕はその流れるプールで大きな浮き輪に浮かびながら、
ゆっくりとプカプカくつろいで流れている時、
BGMで流れてきて、、、
それがこの曲と初めて出会った瞬間だった。

まだその頃は洋楽なんてあまり、、という感じで。
従兄からもらったBeatlesの「Yesterday」のシングルレコードを
何度も聞いてきた位で、まさに洋楽狂になる前夜。

英語の成績が悪かった僕の為に
父がラジカセを買ってきたのはそれから間もない事で、
思惑とは裏腹にラジカセは英語力向上には何の効果も出さず、
僕を洋楽狂に変貌させることに絶大な効果を発揮した。

初めて女の子からラブレターを貰ったのはその1年前。

そして74年のヴァレンタインデーには、
生涯最初のチョコレート。
そのラブレターの女の子から貰った。
その年の夏、
初めて「恋」をしていた時にジャンボプールでこの曲に出会った。

だからなのかな?
この曲が流れてきた時、僕は浮き輪から
思わず降りてしまい、
流れるプールをゆっくりと歩きながら
この曲にしびれ、ただただ聞きいってしまった。
初めて聴いた曲なのにね。
もちろん、歌詞の意味なんてわかるわけもない。
でも何故だか胸がキュンってなったんだ。

消毒臭のするプールの水、
日焼け止めクリームや焼きそば、などの
プールサイド独特の臭い。

青い空。

最高の夏休み。

でも、お金持ちの家に生まれた彼女は、
夏休みはずっと海外。
ちょっと寂しくて、甘酸っぱい気分で男友達といるプール。
そして、
「You Make Me Feel Brand New」。

この曲を聞くと今でも鮮烈に思い出す切ない光景。

この曲は多くの人がカヴァーしている。
Simply Redや山下達郎も僕は好きだ。
でも誰が歌ってもStylisticsには敵わない。

この曲もきっと神が宿った曲だと僕は思うんだ。

あんなに素晴らしい低音やファルセットヴォイスは出せるわけもないが、
恐れ多くもカラオケで歌ってしまう時がある。
目を閉じればあたかもStylisticsの一員になった気分で、
歌いながらも鳥肌がたって、感動してしまうとても稀な曲。

美しい旋律と

「God bless you
 You make me feel brand new

 君に神の祝福があるように、、
 君といると、新鮮な気持ちになれるんだ、、、」

すっげえ(!)何という歌詞なんだろう。

恋をした瞬間ってまさにこの言葉に尽きる。
花火のようにあっという間に消えてしまう気持ち、
でも一番素晴らしい瞬間。

後世に伝えたい(言われなくても残るか)名曲。

、、で何の縁かその彼女とは今でも会う事がある。
彼女の夫も友達だったりもする。
でも、今、彼女と会ってもこの曲が頭に流れてくるわけではない。
僕の中の「彼女の記憶」は残念がら
「You Make Me Feel Brand New」はいない。

きっとあの時の僕は、
どこかの歌詞にあるように
「大人の階段」を登り始めた時。
そんなプールでの夏、
その記憶の中でこの曲は残っているんだろう。

またこの曲、プールサイドで聞いてみたい。

でもこの曲が「恋」の歌ではなく、
「愛」の歌だっていうことが
今の僕にはわかるのは年だからかな?