セバスチャン学園も念願の長期ストライキ休校に突入!。冬休みや夏休みが短縮され代替授業というのも困るが、休校中の課題などは一切ないから、とりあえずは良しとしよう。さっそく、惰眠を貪るべく、引き籠り生活満喫…、といきたいところだが、いささか町内が騒がしい。

 

そういえば、前日、我がエルドラード町内、しかもすぐ近所の茶色い塀の家からマリファナ(大麻)10キロが押収された。といっても、ニュースにすらならなかったから、このくらいは、極々どこにでもあるようなフツーの話。しかし、翌日になると、早朝から町内上空を低空飛行で旋回し続けるヘリコプター。こうなると、身を潜めている犯人や常用者同様、引き籠ろうとしている私も怪しまれる可能性があるし、やっぱり気になる極々フツーな日常の続編。引き籠り宣言とは裏腹に、茶塀の家の斜向かいのパダリア(パン屋)にGO! いつも、朝食の焼き立てパンを提供してくれるだけでなく、我が家の御近所情報源だ。

 

聞くところによると、なんと、麻薬探知犬も投入され、さらに430キロの大麻押収!どうりで騒がしいわけだ。一足遅く押収現場には立ち会えなかったが、これでようやく、新聞や全国区のニュース扱い。ちなみに、ブラジルでは個人使用目的でのマリファナの少量所持は現行犯として逮捕の対象にはならないが、その道に詳しい(?)方々の話では、薬物講習や社会奉仕活動が命じられる代替刑があるらしい…。すぐさま、濃密度な薬物乱用防止講習(???ということにしておこう…)に発展するも、そんなにコアでリアルな内容まで一高校生に教えるか!普通!!!

 

そういえば、入学初日、薬の売人がセバスチャン学園正門周辺を徘徊していたとかで、大々的に地方版ニュースで報じられ、これから始まる高校生活を案じたものだが、これにて一件落着(?)。でも、ニュースのインタビュー以外、校長の姿を見たことないんだけど…(・_・;)。

 

◇4月28日の全国一斉ストライキ呼びかけのビラ。この日も学校は休校。バスも一台すら走っていない。抗議デモは駅前広場を9時にスタートするらしいが、もちろん、公共交通機関も一斉ストップ。詰めの甘いところは、やっぱりブラジルだ。

 

 

2年前(2015年)、多くの公立学校で100日を超えるストライキ休校があった。待てど暮らせど、なかなかストライキ休校に入らないメルセデス学園中等部に当時在籍していた私は、あまりの羨ましさに地団太を踏んだものだが、その後、ストライキが明けると、土曜返上で授業をするも必要授業日数は足りず、夏休み大幅短縮という結末に溜飲を下げたことがある。

 

通常、長期にわたるストライキは4月から5月あたりにかけて行うことが多いという。年度初頭の計画的な休校なら、その後、代替授業の日程も組みやすい。7月の冬休みや、12月からの夏休みにガツンと代替授業を行い、何とか進級、進学と帳尻を合せるのがブラジル流。しかし、さすがに100日を超えるストライキ休校は想定外。通常2カ月以上にわたる夏休みが、10日間程度に短縮された学校もあれば、大学の卒業は3カ月も遅れ、また、留学生たちは、単位修得前に1年間の滞伯期間を終え、帰国の途に着かなければならないという憂き目にあった。泣くに泣けないな…。

 

それでも、一度ぐらいは長期ストライキ休校を…、と夢見る高校生のささやかな願いが叶えられる日がついにやってきた。1学期半ばの3月某日。「明日からしばらくストライキ休校に入ります」との副校長ファッチマの言葉と共に、いつ明けるともわからないミステリーな休校に突入。やったね。

 

 

絶叫マシーンのある遊園地とは程遠い生活環境のとあるブラジルの片田舎。そんなブラジルの田舎の子供たちが心躍らせる娯楽といえば車の運転だ。広大な農場内で「ちょっとトラックを取ってきて」と、鍵を渡されると、全速力で走っていき、私道を運転して戻ってくる。皆10歳くらいからハンドルを握っているから、私と同年代の15歳ともなるとなかなかの運転技術だ。縦列駐車なんか私の母よりも断然上手い。

2017年2月、カーニバル休暇に遊びに行った友人のSitio(大農場)で、ついに私にも、車を運転するチャンスが訪れた。

 

いきなりトラックの運転は無理なので、Kombi(コンビ)の鍵が渡された。ブラジルでコンビの愛称で親しまれているのは、日本で見かけることはもはやないであろうフォルクスワーゲンのバンだ。クラシックカーレベルと思しきシルエットに、年季の入ったエンジン音だが、馬車も普通に走るブラジルの田舎では、いまだ現役バリバリの大衆車として活躍している。でも、普通乗用車に比べてデカいし、ハンドルは重いしで、決して運転のハードルが低いわけではない。でも、これさえ運転できれば、乗用車なんてお茶の子さいさいなのだ。

 

運転席に乗り込むと、車高が高い分、見晴らしがいい。アクセル、ブレーキ、クラッチ、ギアのニュートラルから1速、2,3,4速とバック、それにサイドブレーキをサラッと教えてもらい即運転。そんなに簡単に動くものなのか?という不安をよそに、キーを回すとエンジンがかかる。クラッチを踏み込んで、ギアを1速に入れ、アクセルチョイ踏みして、ゆっくりクラッチから左足を離すと、ガツン!うっ、動いた!でも、ええ(´・ω`・)エッ?、ドン💥!!! 止まった…。盛ってある土山に右前輪が乗り上げていきなり脱輪。でも、10メートルぐらい動いてる(⋈◍>◡<◍)。✧♡脱輪のショックよりも、車を動かした感動が勝る。私の両手も余韻を確かめるようにハンドルを握ったままだ。

 

すぐに、10歳そこそこのガキどものコンビ救出大作戦開始。なんか、脱輪を予期していた感じの手際の良さだ。エンジンを回してもタイヤは空転するばかりで、前にも後ろにも動かない。ちょっと不安げに眺める私を傍らに、すぐさま年長のアルトゥールがスコップや板を持ってきて、手際よく土山を均しながらタイヤの滑り止めに板を挟む。ガキだとばかり思っていた鼻たれ小僧たちが、頼もしく見える。ほどなくコンビは乗り上げた砂山から脱して、再び私がハンドルを握る。

 

今度こそはと、注意しながら、ゆっくりとゆっくりと前進。車窓からは、自転車に乗ったダニエルが颯爽と追い越していく。なんか、イメージとは程遠い初運転だし、全然余裕がないから、目先の赤土の道(?)しかもう目に入らないけど、きっと、野山が広がる田舎の風景の中をゆっくりとコンビは走っているはずだ。

 

どれくらい運転しただろう。車を止めると、みんなが駆け寄ってきて、祝福の言葉でもあるのかなと期待したが甘かった。

「じゃ、今晩はカレーライスでいいから」

「えっ、いや、せめてMyoujou(ミョウジョウ…インスタントラーメン)ぐらいにしてよ…」

 

 

◇後方を流れる川に水没しなくてよかった…。

 

 

移動休日のカーニバル。今年、2017年は2月下旬ということで、セバスチャン学園では、2月25日~3月5日までの9連休。2月に入り新年度が始まると、またすぐ休みになるのは嬉しい限りだ。

 

私がサンバの師と仰ぐクラスメートのマリアガブリエラから伝授されたサンバ高速ステップ習得法。彼女は、これをウルトラピンヒールやってしまう強者だ。足首グギッとか、腰ボキッとか絶対ヤバそうなんだけど…。彼女によると、日常生活からこれを実践していれば自然とできるようになるらしいが、私の場合、悲しいかな、やればやるほど、盆踊り…。

 

気を取り直して、まずは、ステップ1。ゴキブリを見つける。

 

ステップ2。躊躇せず踏みつぶす。って、もはやこの時点で私には無理だ…。

 

さらにステップ3。生命力の強いゴキブリは、まだ生きている可能性があるから、確実に仕留めるために、ひねって潰す。

 

そして、ステップ4。サッカーのシュートの要領で、足を前に勢いよく振り出し、靴底にへばりついたゴキブリを飛ばす。踏んで、ひねって、ポイッの要領だ。

 

最後にステップ5。4,5匹ぐらいのゴキブリ相手でも問題なくなったら、千匹のゴキブリをイメージして…、って、もはやホラーの世界なんだけど…。でも、4,5匹ぐらいは普通に台所でうごめいている…、これって、精神鍛錬法???。

 
 

 

通常、A組から優秀な生徒を並べる学校が多いブラジルでは、C組はそこそこ優秀な生徒が集められ、F組は留年なんかを繰り返した問題児が多いクラス編成だったりする。ただ、F組といっても、優秀ながら、教師と反りが合わず、赤点を盛られた生徒も中にはいたりするから、一概にバカの寄せ集めという構図にはならない。ただ、セバスチャン学園高等部10年F組、ちょっとアクが強いかも…。

 

ブラジルに来てから今まで、1組を中心に振り分けられていた私には、新世界のF組。肌で感じる雰囲気は、そう、テンションが異常に高いのだ。すでに、場末の酒場で酔っぱらっているような盛り上がりようはいったい何?ほぼ初対面と思われる入学3日目にしては意気投合しすぎだろう。しかも、朝7時から始まる1時間目から…。

 

すでに懐かしいC組では、

「へー、ポルトガル語上手いから、ブラジル人だと思った」

などと優等生的な発言も出たりと、褒められて伸びるタイプの私には嬉しいクラスだったが、F組となると、やはり一筋縄ではいかない。

「じゃ、今日は特別スペイン語を教えてあげるよ…」

なぜ、初対面でいきなりスペイン語?

「スペイン語で『おはよう』はxxxxxxxx xx xxxxxxx!って言うんだよ」って、Buenos días(ブエノスディアス)も知らないと思ってるのかよ…。いきなりメチャメチャなめられている。っていうか、xxxxxxxx xx xxxxxxx!って、放送禁止用語ではないが、よく男子が喧嘩するときに、中指を立てながら叫ぶ捨て台詞でしょ?やっぱり、こういう子は赤点の場合でも、救いの手を差し伸ばそうと思わないよな…、先生も。とりあえず、一癖も、二癖もあるF組で揉まれて私も逞しくなれそうだ。