昼と夜の狭間の世界に
街が飲み込まれていくその間
ただその色の移り変わりを眺めて
思い出したのは
車窓に流れていく景色に
ぽつぽつと灯りが灯っていく
ひとつひとつに 誰かを待つ人が居て
待っている誰かの元へ 帰る人が居る
それなのに
自分が向かう先は
自分の場所 ではないところ
何も感じないようにしないと 居られない
少しずつ 少しずつ
心を失っていった 場所
たくさんの笑顔や迷いが交差するお店で
自分も同じ様に過ごしていることに 気が付いて
かつて同じ空間で 真逆に浸かっていたことを 思い出した
その時の 閉塞感 のようなものを
身体が強張って 動けなくなり
目の前のアラジンを覗き込むと

ゆらゆらと 青い稜線が揺れる
昼はふんだんに陽の光が降り注ぎ
夜は怖さの無い静けさに包まれる
森のような場所には
群青色の空に包まって
すうすうと 寝息を立てる
精霊が住んでいる
その滑らかな佇まいは
自然で いつもきれい