月灯りの夜曲週明けからの残業続きで すっかり消耗したところに突然の冷たい風が吹いてきて心の奥底まで 凍りついたようこんなに急いで木枯らしが吹かなくてもいいのについこの間 すすきが奏でる音楽を聴いたばかりなのにもう遠い記憶のような 冷たい夜夜を重ねる毎に 満ちてゆく途中の月も冬の空気を纏い いつもより強く光を放つ見上げながら吐き出した息が白く空気に溶けて混ざる熱を溶かして消える 夜